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[MOM3864]明秀日立MF村田楓太(3年)_2発!プロ志望の10番が大舞台でも活躍できることを証明

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明秀日立高のボランチ、10番MF村田楓太主将は存在感ある動きに加え、2ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.30 関東高校大会Aグループ決勝 桐光学園高 1-4 明秀日立高]

 関東大会決勝での2ゴールという結果、80分間を通したパフォーマンスもマン・オブ・ザ・マッチに相応しい。10番MF村田楓太主将(3年=ウィングスSC出身)が、明秀日立高(茨城)を初の関東制覇へ導いた。

 前半からボールを持つと、強いゴール意欲を感じさせる動き。「2年生の時はさばくだけと言われていた」ボランチは縦パスを入れ、リターンや3人目の形でボールを受けて前へ、前へと出続けた。

「(中央ばかりだと狙われるので、)まず展開して中を空けて、空いたらスピードに乗った状態で入って行くことを意識していました」。時に3人がかりで潰されるシーンもあったが、同時に自信を持つキープ力も発揮。厳しいチェックをかわして攻撃の中心となり、2つのゴールを決めた。

 まずは1-0の後半2分、PAで奪い返したFW石橋鞘(2年)の落としを右足ダイレクトでゴール右隅へ沈めた。「FWの石橋(鞘)がキープしてくれて、後ろ向いた時には自分フリーだったので、落としてもらった時はもうシュート打とうという感覚でした。シュートはかなり練習していたので良かったです」という会心のゴール。後半9分に生まれた明秀日立の3点目も、村田が強引に打ち切ったシュートのこぼれ球をFW熊崎瑛太(2年)が押し込んで決めたものだった。

 終盤は押し込まれる時間帯が続いたが、エースが勝利を決定づけるダメ押し点。後半40+1分、村田は「3人目の動きで縦パスが入った瞬間、相手がボールウォッチャーになっていました。良いボールが来たのであとは決めるだけでした」と自身2点目のゴールを決め、仲間たちの祝福を受けていた。

 元々ドリブルなどオン・ザ・ボールの動きは得意。昨シーズン、ポジションを左サイドから中央へ移し、奪われない力などを示していたが、大舞台で強敵相手にもできることを証明した。本人は矢板中央高(栃木)との練習試合やこの日の桐光学園高(神奈川)戦でまだ失うシーンがあることを反省。それでも、守備面を含めて全国でも勝負できるようなタレントになってきていることは間違いない。

 萬場努監督は「ウチのチームでもダントツの核というか、チームの中でも突出しているし、練習の中でも質が違う」と説明。まだまだ細身で質の部分も伸ばさなければならないが、プロ志望の本人は残りの高校生活でもう1、2段階成長を遂げて目標を達成する意気込みだ。

「自分はプロを目指して続けている。こういう少しずつの結果が自分の夢にも繋がっていると思うので、少しずつでも結果を残していって、最終的に自分の夢、目標に近づいていけたらと思っています」と力を込めた。
 
 今回の関東高校大会は「チームを勝たせたいという気持ちは、はじめの頃よりはずっと強く思っていた」という思いを表現する形で優勝に貢献。日体大柏高との初戦は決勝FK、山梨学院高との準決勝では決勝アシストも記録し、大会優秀選手にも選出された。すぐに予選初戦を迎えるインターハイはさらなるアピールチャンスだ。

「県大会では最近優勝できていないので、まずしっかりと優勝して、全国大会への切符を掴むこと。個人としては、インターハイの切符は凄く大事になってくると思うので、県大会でも、全国大会でも同じような活躍をして一人のタレントになれるように練習していきたい」。主将となり、喋る力も成長中の10番が今夏、明秀日立に白星をもたらし続けてサッカー人生を変える。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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