[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.30 関東高校大会Bグループ決勝 前橋育英高 4-1(延長)佐野日大高]

　延長戦の2発で前橋育英高(群馬)を関東大会Bグループ優勝へ導いた。試合は1-1のまま延長戦へ突入。後半開始から出場していたFW山本颯太(3年=坂戸ディプロマッツ出身)は「みんなよりフレッシュだったので」と仲間たちを助けるつもりで延長戦を迎えていた。

　その延長前半6分、前橋育英は右サイドから攻め、SB清水大幹(2年)がライナー性のクロス。「自分が決めるしか無いと思っていて、その中で良いクロスが来たので決めることができました」という山本が左足ダイレクトでゴールへ押し込んだ。

　やや難しい体勢のシュートだったが、「気合で押し込んだという感じです」と会心の表情。その山本は、延長後半6分にも相手の疲れを見逃さず、左サイドから長いドリブルで中へ持ち込んでDFのマークを外す。最後は強烈な右足シュートを叩き込んで2点目。「相手が疲れていたのでもう1点獲ればチームも楽になると思ったので、獲れて良かった」と喜んだ。

　朝練習でスクワットや体幹トレーニング、午後練習後にはベンチプレスを行うなど肉体強化。中学時代から特長としてきたポストプレーをレベルアップさせてきた。FWアーリング・ハーランドやFWロベルト・レバンドフスキが目標で、シュートも武器とするストライカーは今大会3得点。決勝戦でベンチ入りした山田耕介監督の前で「自分もインターハイでメンバーに入りたい」という思いをぶつけ、アピールに成功した。

　課題はオフ・ザ・ボールの動き。課題を改善し、Aチームの10番FW高足善(3年)やU-17日本代表FW小池直矢(3年)と異なる武器をより磨く考えだ。「(彼らと)タイプはちょっと違うので、自分の特長を活かせば全然行けると思うので、違うところを示していきたい。もらったチャンスを逃さないようにして日々やっていきたい」。日常からアピールを続けてチャンスを掴み、必ず結果を残す。　

(取材・文　吉田太郎)

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