beacon

[MOM3869]神戸弘陵DF木津周馬(3年)_「やってもうた」の失敗引きずらず、DFリーダーが無失点と3戦連続延長V弾!

このエントリーをはてなブックマークに追加

延長前半2分、先制ヘッドを決めた神戸弘陵高CB木津周馬が会心の表情

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.3 インターハイ兵庫県予選準決勝 神戸弘陵高 2-0(延長)神戸星城高 アスパ五色メインG]

 DFリーダーが好ゲームに決着をつけた。0-0で迎えた延長前半2分、神戸弘陵高は右サイドからのCKを左SB大橋聖音(3年)が左足で蹴り込む。ニアへ走り込んだCB木津周馬(3年=サルパFC出身)が頭でゴールへ流し込んだ。

 木津は一度ベンチ方向へ向けて走り出しかけたが、目の前が神戸星城高ベンチだと気づき、“とりあえず”逆サイドのコーナーへ。「キッカーに『ここ蹴ってくれ』と言って、僕はそこへ走っただけ。キッカーに感謝」と大橋に感謝し、「自分的には『ホンマ、やってもうた』という感じだったんですけれども、これで取り戻せてチャラにできて良かったです」と微笑んだ。

 木津はこの日、PK失敗を経験している。後半30分、FW馬場悠平(2年)が獲得したPKで右足を振り抜いたが、強烈なシュートはクロスバーをヒットした。「やってもうた」という言葉が頭をよぎったが、「自分の中では、全部の責任背負って蹴ったつもりだった」。だからこそ、引きずらずに自分の最大の役割であるゴールを守ることに集中した。

 谷純一監督が「DFリーダーで集中力が高い。コーチングができる。逆境になっても慌てないというCBとしての資質は素晴らしいものがあると思います」と信頼する木津は、ポテンシャルの高い2年生CB岡未來らとともに堅守を発揮。試合を通して幾度かピンチはあったものの、「入っていないから『次、次』とやっていました」と前向きに戦い、要所を封じ続けた。

 そして、PK失敗を取り戻すゴールを決め、3試合連続延長戦での決勝ゴールという離れ業。加えて、「失点しなかったら負けないのでそれだけこだわってやった」という木津は、DFリーダーとして完封勝利にも大きく貢献した。

 木津は「去年に比べて背後のボールの反応とか良くなっている実感がある。まだまだ足下に強く行くとか去年よりも速くなっているけれど、取り切れないところがあるので満足していない」と緩めず。無失点Vのかかる決勝だが、ゼロに固執はしていない。

「完封すると思いすぎると、もしも失点した時にガクッと来てしまう。大きな目標を持つのは大事だけど、一個一個目の前のプレーをやれば無失点でやれる。そこの考えはブラさずにやりたい」。182cmのDFリーダーは自然体で試合に臨み、再び結果に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

TOP