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[MOM3873]立正大淞南MF進海翔(3年)_会場がどよめいたスーパーミドル「あんなの決めたことがない」

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スーパーミドルを叩き込んだ立正大淞南高MF進海翔(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.4 インターハイ島根県予選決勝 立正大淞南高 2-1 大社高 島根県立サッカー場]

 0-0で迎えた後半8分、立正大淞南高はゴール正面約25メートルの距離でFKのチャンスを得た。キッカーのDF三輪陽斗(3年)やゴール前で待つ選手たちは口々に「飛び込めよ!」と声を掛け合っていたが、ベンチで見ている南健司監督は、言葉通りゴール前に入れるとは思っていなかったという。

 この日、2トップの後方で攻守に存在感を放っていたMF進海翔(3年)が、三輪の横にいたからだ。ただ、指揮官は「横に出すのは分かりましたが、ドリブルで行くのかと思っていた」と振り返る。
 
 だが進は三輪のパスをワントラップすると、右足を一閃。右足インフロントでカーブをかけたボールが右ポストに当たりながらも決まると、バックスタンドで待つ応援団の下へ駆け寄る進の下にチームメイトが駆け寄り、祝福の輪ができた。

 会場がどよめいた鮮やかなミドルシュートは、本人にとっても「あんなすごいゴール、練習でも試合でも決めたことがない」と語る驚きの一撃。南監督は「ディフェンス力や、ボールを前に進めることができるのが最大の特徴」というアタッカーのスーパーゴールを「大仕事をやってのけた」と称えた。

 立正大淞南は前半、思うようにチャンスを作れず、シュートは2本のみ。「ハーフタイムに先生方に『攻撃陣は何本シュートを打ったんだ』と言われ、確かに全然打っていなかった。どんどんシュートを狙って、いつもの淞南のサッカーをしようと思った」という思いを胸に後半に臨み、「パスをもらって右足を振り抜けば、何とかなると思った。コースが見えました」と語る積極性で貴重な先制点をもたらした。
 
 その後にMF永澤叶太(2年)が追加点を奪った立正大淞南は、1点を返されたが2-1で勝利。進は2大会連続15回目の出場となるインターハイに向けて「セカンドボールを拾うのが自分の仕事ですが、拾った後のロストが多いので、一本一本つないでいくことを大事にしたい」と課題を挙げ、「全国でも一つずつ勝ち上がっていけるように準備していきたい」と夏の大舞台に向けて気持ちを高めていた。
 
(取材・文 石倉利英)
●【特設】高校総体2022

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