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[MOM3877]福井工大福井MF下中涼平(3年)_大事な一戦で輝く一振り…仲間を鼓舞する「気持ちがある」キャプテン

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福井工大福井高キャプテンで10番を背負うMF下中涼平(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.4 インターハイ福井県予選準決勝 福井工大福井 3-2 金津 テクノポート福井]

 厳しい試合に競り勝ち、全国大会に王手をかけた福井工大福井高。攻守に奮闘し、苦しい時間にも大きな声でチームを鼓舞し続けたのは、キャプテンで10番を背負うMF下中涼平(3年)だった。前半20分にはFKを直接決め、失点からスタートした苦しい試合を前半中に逆転させ、決勝戦への道を開いた。

 PA手前付近からのFKは、強い風が後方から吹いていた。風のことも考慮したコースは「狙い通りです!」と試合後には明朗に胸を張った下中。実際に試合中のその場面では、「ゴールに向かうボールが蹴れれば大丈夫、あとは風に乗ってくれれば」という気持ちで蹴ったという。そして蹴り出されたボールは、美しい弧を描き、ゴールに吸い込まれていった。

 昨年はどの大会でも越えられなかった準決勝の壁。今年の新人戦では、準決勝で下中が直接FKを決め、決勝進出に貢献。今大会でも、準決勝で逆転弾。大事な試合で得点を奪える下中のキックは、チームにとって心強い武器の一つだ。

 入江寛監督が「気持ちがあるキャプテン」だと評した通り、試合終了のホイッスルと同時に地面にうずくまって両手に拳を握り、苦しい展開から決勝進出を勝ち得た喜びを噛み締める姿も見られた。勝利を欲する気持ちは強い。

「まずは準決勝を勝利したことで、北信越大会への出場権を得られた」ことには安堵したが、もちろん目指しているところは北信越大会ではない。昨年はインターハイが地元開催だったことから、運営補助として目の前で全国大会の凄さを見た。だからこそ「そこに立ちたいという思いも強い」(下中)。目指す舞台まで、あと一勝。決勝の舞台でも、苦しい時こそチームを支えられる存在でありたい。

(取材・文 前田カオリ)
●【特設】高校総体2022

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