beacon

[MOM3895]国見GK今村泰斗(3年)_声と勇気特長の173cmGKが流れ変えるPKセーブ!

このエントリーをはてなブックマークに追加

試合終了の瞬間、国見高GK今村泰斗が両拳を握りしめて喜ぶ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.9 インターハイ長崎県予選準決勝 国見高 2-1 長崎日大高 長崎市営ラグビーサッカー場]

「止めてくれたのが、きょうの一番の大きいプレーでしたね」。元Jリーガーの木藤健太監督も讃えたビッグセーブ。GK今村泰斗(3年=LEON FC出身)が長崎日大高へ傾きかけていた勝負の軸を引き戻し、国見高の決勝進出に繋げた。

 後半12分に追いつかれた国見はさらに19分、やや厳しい判定でPKを献上。だが、「GKにとってはヒーロになるチャンス」という守護神が、右に跳んでストップする。相手の蹴る方向をギリギリまで見極め、感覚的に跳躍。弾いたボールをすぐに身体で収めると、ベンチへ向けてガッツポーズした。

「久しぶりにチームのために活躍できたので、本当に良かったです」と今村。後半12分の失点はゴール方向へ向かってきたCKを大きく弾けなかったことが要因だったと自己分析する。だが、引きずらずに直後の1対1でビッグセーブ。さらにPKを止めた守護神は終盤、相手のクロスを確実にキャッチし続ける。そして、試合終了の笛が鳴ると、両膝をついて拳を握りしめた。

「みんなのお陰で、失点した時もみんなが励ましてくれたので、そのお蔭で止められたのもあります」と仲間たちに感謝。身長は173cmと決して高くないが、木藤監督は「反応が速い。ゲームを戦うという意味では、彼が一番鼓舞して戦いますし、身長をカバーするだけのパフォーマンスを彼は見せてくれている」と評価する。

 小学生時代から声を出すことを意識。中学時代も鼓舞することでチームを盛り上げてきたという。昨年は自身よりも10cm以上大柄なU-18代表候補GK緒方要(現福岡大)とポジションを争い、出場機会を掴んでいた。「声と勇気を持って前に出るプレーとか気持ちでカバーする」GKは、決勝でも自信を持って戦い、チームを勝たせるだけ。「絶対に勝って全国に行きます」という今村が決勝でも国見のゴールを守り抜く。

後半19分、PKを止めて流れを変えた

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

TOP