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“東京五輪カルテット”を陰で支えた柴崎岳、上田綺世とのホットライン不通も「違った試合ではチャンスが来る」

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日本代表MF柴崎岳(レガネス)

[6.10 キリン杯 日本 4-1 ガーナ ノエスタ]

 日本代表MF柴崎岳(レガネス)がキリンカップ・ガーナ戦で、カタールW杯アジア最終予選第2戦の中国戦以来となるフル出場を果たした。4-3-3のインサイドハーフの一角で出場し、前線に並んだ“東京五輪世代カルテット”のサポート役を担当。「もっともっと攻撃の幅を増やして、チームとして共通認識を持てれば」と先を見据えた。

 W杯最終予選第4戦のオーストラリア戦以降、チームが4-3-3を採用する中で序列が大きく下がっていた柴崎。3月の最終予選第10戦・ベトナム戦ではアンカーで先発出場することもあったが、この日は前半限りでの途中交代となった昨年11月の最終予選第6戦・オマーン戦以来となるインサイドハーフでの先発となった。

 柴崎が意識していたのは1トップのFW上田綺世、両ウイングのMF堂安律とMF三笘薫、インサイドハーフでコンビを組むMF久保建英をサポートしつつ、MF遠藤航の守備負担を補完すること「ポジション上、自分もある程度は前の役割だけど、もっと8番寄り。タケ(久保)が攻撃に関わっていって、潰し切るところは(遠藤)航の役割で任せていた。攻守のバランスというところは見ながらプレーしていた」。そう振り返った柴崎は「薫、律もそうだし、タケも律とポジションチェンジを繰り返しながら(山根)視来も絡んで、攻撃がある程度の形でできていた。そういう選手の距離感が良かった時間もあるし、サイドから中の崩しのパターンでいくつかいい形があったのではないかと思う」と手応えを語った。

 またなかなか攻撃が完結させられなかった時間帯には、フィニッシュへの関与でも存在感を見せていた。「個人的にもできればゴール前に入っていこうという意識は持っていた。何でもかんでも入っていこうというわけではなく、タイミングができた時に入っていくということ」。狙いはあくまでも周囲を補完するポジションを取ること。「何回かそういうシーンがあったということは、それくらいサイドから深く、タイミングを作れていたということだと思う」と前向きに振り返った。

 その一方、一本のパスでチャンスを切り開くような働きはできなかった。日々のトレーニングから居残り練習を共にしていた上田も不発に終わり、“ホットライン”はお披露目ならず。「相手が3バックだったというところが一つ大きなところ。必然的にゴール前に人数が多くなるし、2CBの時と3CBの時では敵の出方が違う。スルーパスだったり縦パスを受けるシーンが作りづらいところがある」。そう要因を指摘した柴崎は「綺世はその辺、やりづらさを感じていたのではないかと思う。彼は彼でCBを引っ張る役割、その前で起点を作る役割を意識してやっていたと思う」と表に出にくい貢献を慮った。

 その上で「彼もシュートチャンスがなかったわけではなく、おそらくJリーグでは抜け出せていた部分に関しては、ガーナの選手の身体能力の違いも感じていると思う」と指摘。「この一戦だけで評価するのではなく、本人も結果が欲しかったと思うし、チャンスをものにしてほしいと思う。また違った試合では彼のチャンスが来るんじゃないかと思う」と期待を寄せていた。

(取材・文 竹内達也)
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