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「マリノスで慣れている」、二度の“逆境”で発揮した頼もしさ…U-21日本代表MF藤田譲瑠チマは大一番・韓国戦へ

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MF藤田譲瑠チマ(横浜FM)

 U-21日本代表は12日のU23アジアカップ準々決勝で韓国と対戦。11日には前日練習を実施した。冒頭15分をメディア公開した後は非公開に。終了後には囲み取材を行った。MF藤田譲瑠チマ(横浜FM)は大一番に向け、意気込みを語っている。

 2勝1分でグループリーグを突破した日本は、12日の準々決勝では韓国と対戦。チームの雰囲気は上々だが、藤田は気を引き締める。自身が参加した2019年のU-17W杯では、決勝トーナメント初戦でメキシコに敗戦。「U-17では予選突破後に悔しい思いをしている。そのときは気の緩みが出たような感じ。それがないように、もう一回みんなで最初から気を引き締めていきたい」。一度経験した過ちは二度繰り返さないつもりだ。

 経験したことをピッチで還元するその頼もしさ。キャプテンマークを巻く藤田は、今大会でも安定感を発揮し続けている。

 初戦と第2節ではフル出場。第3節ではベンチスタートも、後半30分から途中出場した。3試合連続出場の中で、日本は二度のアクシデントに見舞われる。第2節、第3節でビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入から味方が退場。2試合連続で数的不利となった。

 だが、2試合ともに逆境を感じさせない立ち振る舞いを見せたのは藤田。中盤で冷静に試合を運び、ときには体を張って相手の猛攻を防ぐ。グループリーグ3試合で日本に黒星がつくのを許さなかった。

 数的不利で見せた安定感。その理由を問うと「マリノスで少なくなることが多かった。ほかの選手より慣れているといえば慣れている」と明かす。横浜F・マリノスでは今季数度似たような状況を体験。ACLのグループリーグ第3戦シドニーFC戦では数的不利も攻め切って3-0の勝利。またACLから帰還後のJ1第12節・名古屋戦では、前半に負傷者を2人出しながらも、交代枠を考慮して前半残り時間をあえて10人で戦う選択を取った。数的不利で戦う術を身に着けた藤田。その経験をU-21日本代表の試合で還元した。

 準々決勝で戦う韓国のイメージは「普通に強い」と語りつつ、藤田は対戦を心待ちにする。相手の中盤には巧みな連係による攻撃もあれば、MFイ・ガンイン(マジョルカ)のような際立った個の存在も。「スペインでやっている選手がいるのは楽しみ。自分たち真ん中の選手が負けないように。そこで勝つことができれば、ゲームを支配できる」。優勝の道のりに立ちはだかる強敵。頼れるキャプテンとともに、日本が大一番に臨む。

(取材・文 石川祐介)
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