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U-21日本代表の隠れたキーマンDF内野貴史、今大会3度目の得点演出も「得点に多く絡むのは予想していなかった」

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DF内野貴史(デュッセルドルフ)

[6.12 AFC U23アジア杯準々決勝 日本3-0韓国 タシケント]

 U23アジア杯準決勝に勝ち進んだU-21日本代表。準々決勝では韓国に3-0と勝利を収めた。後半29分から途中出場したDF内野貴史(デュッセルドルフ)は右サイドで相手の攻撃を封じつつ、FW鈴木唯人のチーム3点目をアシスト。今大会では合計3得点に関与し、「得点に多く絡むというのは、あまり大会前では予想していなかった」と振り返る。

 韓国人サポーターが数百人も集い、大きな声援が飛び交う中で行われた日韓戦。ベンチスタートの内野は「簡単な試合ではなかったけど、もともと予想していた」とチーム全体の落ち着きを語る。試合は序盤から韓国の猛攻に遭うが、決定機は作らせない。前半22分にFW鈴木唯人がFKを決め、先制に成功。前半は1-0で折り返した。

 後半にも追加点を挙げた日本は2-0とリード。だが、韓国も攻勢を強めており、1点を失ったら勢いを奪われかねない状況だった。内野は同29分から途中出場。先発した右SB半田陸はそのままで、内野はその一列前の右サイドでプレーする。攻守に高い強度を持つ内野と半田の縦起用は、グループリーグ第3節・タジキスタン戦でも試されたオプションだ。

「勝っている状況だったので、まず失点しないように守備から。チャンスがあれば前に出ていく。決定的な得点を取りに行く仕事を求められました」

 相手のサイド攻撃を封じつつ、投入6分後にはダメ押しの3点目を演出する。後半35分、内野がボールを持つと、MF藤田譲瑠チマが中盤から右サイドに走り、相手の意識を引き付ける。内野はすかさず浮き球のパスをPA手前に送ると、ボールを収めた鈴木唯が反転しながら左足シュート。3-0と点差を広げ、勝利を決定づけた。

 得点シーンを振り返り、内野は「得点につながるプレーをしたかった。唯人が決めてくれたので、得点につながってよかったです」と喜びを語る。グループリーグ第1節でも2得点に関与。韓国戦でも勝利を決定づける役割を果たし、「自分でもこういう得点に多く絡むっていうのは、あまり大会前では予想していなかった」と振り返る。「中に合わせる人がいてのアシスト。それは素直にチームメイトに感謝したい」と謙虚さも垣間見せた。

 韓国戦は「ただの一試合という枠を超えている」と意識。「日本代表としてここに来て韓国代表と戦う。勝負に勝つというミッションを達成できてほっとしています」と笑みを浮かべた。

 Jリーグ経験がなく、ドイツで研鑽を続けた内野は、3月にU-21日本代表に大抜擢。同月のドバイ杯U-23で初タイトルを獲得した。そして、今大会もチームは順調に歩みを進める。「チームがいつも同じ方向で、同じ目的を持って行動すれば、絶対にあとの2戦も自分たちのモノにできる。それは怠らずやっていきたい」。前線や中盤の選手に注目が集まる中、右サイドのキーマンの活躍からも目が離せない。

(取材・文 石川祐介)
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