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[MOM3909]高川学園MF藤井蒼斗(2年)_得意のボランチへ再転向。練習の成果発揮する先制ヘッドと潰し

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前半19分、高川学園高MF藤井蒼斗が先制ヘッド

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.12 インターハイ山口県予選決勝 高川学園高 2-1 宇部鴻城高]

 インターハイ予選直前にボランチへ再コンバートされたMFが、練習の成果を攻守両面で発揮。高川学園高を全国大会出場へ導いた。

 MF藤井蒼斗(2年=高川学園中出身)は前半19分、右SB高良優貴(3年)の左CKに勢い良く飛び込み、頭でゴールへ叩き込んだ。「江本先生から、金曜日に何本もCKの練習をしておけ、思い切って突っ込んで行け、というお話を頂いていたので、それを信じて走り込んだらボールが来たので、あとは合わせるだけでした」。2日前の練習で感覚を掴んでいたCKからのヘッドで先制点をもたらした。

 藤井はこの日、右サイドからのクロスボールで決勝点もアシスト。守備面でも、ボランチの位置で高さを発揮した。加えて、「一週間前の準々決勝の時に自分が全然競り合いで勝てなくて、江本先生から指摘を頂いていたので、一週間ずっと競り合いの練習をしていて、そこで思い切ってきょうは出せたという感じでした」。

 後方から丁寧にボールを動かしてくる宇部鴻城高に対し、「真ん中で自分が潰したら流れに乗れると思っていた」という藤井は狙いを持ったディフェンス。競り合いで練習の成果を表現していたものの、70分間通して思うような潰しができていた訳では無い。

 岡楓太(3年)、中島颯太(3年)の先輩CB2人の声がけを受けながら動いたが、自分が前の選手を上手く動かすことができず、押し返されてしまったと感じている。それだけに、「もっと自分から伝えて前を動かして、自分が動きやすいようにしてから潰していきたいと思います」と反省。また、攻撃面ではビルドアップの際に周囲の情報を入れて、ゲームを作ることがまだまだできていないと感じている。

 ボールに触れる回数もより増やさなければならない。だが、これまでのSBやCBから“本職の”ボランチへ再転向したばかり。課題がある一方、早速落ち着いた攻守を見せている藤井は、得意とするパスやポジショニング、コーチングの質をより高めて全国大会で活躍する意気込みだ。

「全国大会ではプレッシャーとか全然違ってくると思うので、練習のところからもっとボールを受けるところだったり守備のところを意識して、チームを波に乗らせるようなプレーが出来たら良いと思っています」。MFセルヒオ・ブスケツの動きを参考にトレーニング中。練習の成果を再び大舞台で発揮し、チームを勝利へと導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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