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仕掛ければ抜けるが…三笘薫が感じたジレンマ「フィールド内での対応力に頼ってしまっている」

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MF三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)

[6.14 キリン杯決勝 日本0-3チュニジア パナスタ]

 仕掛ければおおかた突破できる能力がある。途中出場で相手が疲れて自分がフレッシュな状態ならばその確率はより上がる。だから「途中で出ると仕掛けたくなる」——。

 1点を追う後半15分からピッチに立ったMF三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)は、左サイドで再三再四のドリブル突破を見せたが、得点を生み出すことはできなかった。複数に囲まれればその都度CKを得てチャンスを広げたが、今の日本にセットプレーからの得点の匂いはない。それどころか、後半アディショナルタイムには前掛かりになってカウンターからとどめの3失点目を食らった。

 試合終了から約1時間後、オンラインでの取材エリアにやってきた三笘は、既にある程度の整理がついている様子だった。突破はできても得点に至らなかった理由を尋ねられると、「シンプルに最後の質と、もう少しゆっくりやって人数を掛けながら攻めること、チームとしてゆさぶりをかけながら攻撃することが必要だったと思う」と振り返った。

 三笘の指摘通り、日本は1点のビハインドとなってからは攻めがより単調になった。三笘自身は「自分が途中で出ると仕掛けたくなる」と客観視しつつ、「チームとしてもバリエーションが少ないし、シュートの数も少ない。ミドルシュートで相手を引き出すことも必要。チームとして攻撃の組み立てのところで共通意識がないと、自分は毎回仕掛けて取られてカウンターされるようになる」と言う。

 三笘がA代表デビューを果たしたのは、日本がまさかの黒星発進となり、崖っぷちに立たされていたアジア最終予選第6戦のオマーン戦。「最終予選では前日に入って試合になり、コンディションを優先していたし、(戦術や狙いなどを)チームとして落とし込む雰囲気がなかった」という。

 約2週間の代表活動だった今回はまとまった時間があったが、「狙いの細かさが全然足りていない」(三笘)と感じている。「まだフィールド内での対応力に頼ってしまっている。いろいろな人たちで議論しながらやっていく必要があると思うので、僕自身もコーチやスタッフといろいろな話をしながらやっていきたい」。自覚と責任感をにじませながらそう言った。

(取材・文 矢内由美子)
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