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[MOM3912]佐野日大GK平岡倖輝(2年)_“佐日のPK職人”が圧巻の連続セーブで完封

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PK戦3人目、佐野日大高GK平岡倖輝が右へ跳んでストップ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.14 インターハイ栃木県予選準決勝 佐野日大高 0-0(PK3-0)宇都宮短大附高 栃木グ]

 PK戦で完封。佐野日大高の“PK職人”がチームを決勝へ導いた。0-0の延長後半9分、佐野日大はゲーム主将のGK槙田海里(3年)に代えて2年生GKの平岡倖輝(2年=日立JYSC出身)を投入する。

 海老沼秀樹監督が「浦和カップとか色々な時にPKを止めてくれて、みんなもあの子が出たら止めてくれるという信頼がある」と説明し、槙田も「本当にPKが得意な選手」と賞賛する2年生が見事期待に応えた。

 先輩GK槙田から「ここはオマエのゲームだぞ、思い切ってやって来い」とPK戦へ送り出された平岡は、ゴールマウスの前でグローブを大きな音で叩いてキッカーにプレッシャーを掛ける。

 宇都宮短大附高1人目のシュートはクロスバーを直撃。2人目は「自分、結構読むのが得意なので、目線だったり、動作だったり、助走だったり、軸足だったり……こっちに蹴るというのは蹴る瞬間には分かっていた」という平岡が完全に読み切り、左へ跳んでストップした。

 2人目を終えた時点で2-0。先攻・佐野日大の3人目が失敗したものの、直後に平岡が右へ跳んで再びストップした。そして、右手を突き上げてガッツポーズ。4人目に決着すると、PK戦で完封という離れ業を演じ切った背番号17の下へチームメートたちが駆け寄り、一緒に喜びを爆発させていた。

 平岡にとって宇都宮短大附戦はリベンジマッチだった。関東大会予選決勝で先発のチャンスを得たものの、0-1で敗戦。その悔しさを抱いていただけに、「返せたかなと思います」と微笑んでいた。

 180cmの平岡はコーチングの面など課題がある一方、シュートストップが得意。中学時代はPKが得意ではなかったという。だが、佐野日大のPK練習で止めるためにキッカーを観察し続けてきたことで読みが当たるようになった。今年は浦和カップで1試合3本のPKストップ。練習試合などでも結果を残して信頼を勝ち取り、この日はチームを救った。

 憧れは、GKエデルソンや「心がブレない」と尊敬するGK川島永嗣。決勝もベンチスタートが有力だが、メンタル面にも自信を持つ平岡はPK戦になれば「絶対に止めます」と言い切った。この日無失点でバトンを繋いでくれた槙田をサポートし、出番を得た際には先輩たちの思いも背負って必ず止める。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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