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前回インハイで優勝&得点王の先輩に続くか。昌平のFC東京内定MF荒井悠汰「結果を残したい」

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FC東京内定の昌平高MF荒井悠汰は全国大会での活躍を誓った

[6.19 インターハイ埼玉県予選決勝 昌平高 2-1 成徳深谷高 NACK]

「今回、チームのみんなのお陰で行けたので、全国では自分が結果を残したい。(結果とは)ゴールです。(得点王)獲ります」。昌平高のエースMF荒井悠汰(3年=FC LAVIDA出身)がインターハイでのゴール量産を誓った。

 今年2月に23年シーズンからのFC東京加入内定が発表され、2種登録選手としてルヴァン杯に出場。U-18とU-19日本代表候補にも選出されている注目選手はこの日、成徳深谷高から試合を通して警戒されていた。

 特に前半は右サイドでボールを引き出し、幾度もドリブル突破にチャレンジ。柔剛兼備のレフティーは、2人に対応されても強引にその間へ切れ込み、得意の左足を振ろうとする。前半18分には中で仕掛けて左足シュート。DFに当たったこぼれ球をMF篠田翼(3年)が拾い、先制点に繋がった。

 この後も右サイドからのカットインシュートや、ドリブルで斜めに切れ込んで決定的なラストパス。デュエル勝負では圧倒的なパワーで相手DFをグラつかせていた。DFラインをサポートする形で守備でも勝利に貢献していたが、無得点。「FC東京の練習ではオフの部分で成長できたと思っていて、(今日も)背後取ったり、決定的なチャンスが作れていたので、そこをアシストや得点にこだわっていけたら良い」と語った。

 今年はFC東京に合流している期間が長かったため、コンビネーションの部分をここから向上させていかなければならないが、荒井はそれ以上に自身のメンタル面改善の必要性を口にする。

「メンタルがちょっと弱いのでもっと鍛えないといけない」。対戦相手にとって荒井は“有名人”。そこでドリブルをカット、またシュートブロックできれば「やれる」という自信にもなる。この日の成徳深谷も荒井へのタックルが決まると、ベンチ含めて大盛り上がり。その状況が続くと、10番は落ち着きを失ってしまうところがまだあるようだ。

「取られた時の煽ってくる感じだったり、自分の中でメンタルがちょっと弱いので、そこはもっと強くしていかないといけない。頭こんがらがったり、ヤバイヤバイとなって。(今日も)焦っちゃってシュートが上手く行かなかったり、パスがズレたりしていたので、メンタルのところをもっと鍛えていかないと」。1年時から大舞台を経験し、プロデビュー戦でも堂々の動きを見せていた。だが、本人はどんな状況でも冷静にプレーできる力を求めていく。

 警戒されていても自分がチームを勝たせるという責任感を持っている。「負けたら自分のせいだと思っているので、そこの責任ももちろんありますし、全国では自分がチームを勝たせないといけないので、もっと点を獲りたい。(今日は勝つことができて)チームとしては凄く良かったんですけれども、個人としては全然納得行かなかったので、全国でもっと結果を出したいと思います」と力を込めた。

 荒井は1年時に選手権8強を経験。それ以来の全国大会だ。対戦したい相手としてまず神村学園高(鹿児島)の名を挙げ「(福田)師王と(大迫)塁がいるので。あと帝京長岡の廣井(蘭人)。高校選抜でやっていたので対戦したい」と口にした。他にもいる注目選手たちの中で大会の主役になることができるか。

 前回大会は、同じ左利きでFC東京の先輩MFでもあるMF松木玖生が得点王を獲得して日本一。2月に「松木くんは高校No.1の選手だと思っていますし、プロの中でも慣れているという感じがもうあって、そういうオーラや両足蹴れるところ、粘り強い守備などがプロの練習でも目立っていて、学ばないといけないと感じますね」と語っていたレフティーが、先輩から学んだ力も表現してインターハイで輝く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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