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[MOM3939]丸岡FW小関晴人(3年)_エースが鮮烈ゴール!後半残り1分で決めた 「ビックリ」の決勝点

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後半34分、丸岡高FW小関晴人が右足で決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.24 インターハイ1回戦 日大藤沢高 1-2 丸岡高 鳴門大塚]

 伝統校を率いる小阪康弘監督が、「あれはビックリしました。あそこにあれを入れるかと」と驚き、決めた本人も「単純に嬉しいというのがあります。あとはビックリしています」と微笑む。丸岡高(福井)は後半残り4分で同点に追いつくと、その3分後にFW小関晴人(3年=FELICEFC浦安出身)が鮮烈な一撃。これが決勝点となり、17年大会準優勝の強豪・日大藤沢高(神奈川2)に逆転勝ちした。

 後半34分、小関は右中間でFW伊藤大貴(3年)の斜めの浮き球パスを胸トラップ。そしてボールに身体を被せるように右足を強振し、シュートをニアのゴールネットに突き刺した。チームメートが大興奮。指揮官も拳を握りしめる。まさにエースの仕事だった。

 小関は「浮き球で来たのでとりあえず胸で収めて、枠にシュート打とうと思ったんですけれども、(ニア方向を意識したら)たまたまあそこに行きました」。小関は21年U-17日本高校選抜の注目FW。そのポテンシャルの高さを示す決勝点だったが、活動量豊富なMF名倉洸悠(3年)がかき回してくれたことでマークがついて来れていなかったこと、相手の攻撃的なSBの背後を狙い続けたことも功を奏す形となった。

 また、エースは指揮官からの檄も力に変えていた。前半はスピードを活かして縦へ抜け出し、サイド突破にチャレンジしていたが、その回数はわずか。0-1のハーフタイムに小阪監督は「オマエ、いつまでサボっているんだと」と指摘し、小関も「(スタンドの)ベンチ外の人のために、このままでは終われないぞと言われました」と振り返る。仲間たちへの思いを強く持って臨んだ後半にファインショットを決め、ヒーローになった。

 小関は昨秋、U-17日本高校選抜に招集され、Jヴィレッジドリームカップに出場。ともにC大阪加入が内定した神村学園高MF大迫塁や東山高MF阪田澪哉ら現高校3年生のトッププレーヤーたちとプレーした。小関は抜け出すスピードを見せた一方、十分な活躍ができたとは言い難い。それでも学んだ「一番はミスが少ないというところですね」という課題を持ち帰り、トレーニングを重ねてきた。

「U-17の高校選抜で自分はそういう細かいところができていなかったので、練習の時に細かいところを意識しながらやれたんで少しは成長できたかなと思います」。胸トラップから決めた会心の一撃はその積み重ねの成果。スピードとパワーを兼備した強力FWが、次は千葉の名門・市立船橋高のゴールを破る。 

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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