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[MOM3941]聖和学園GK菅井一那(3年)_“ドリブル軍団”の守護神が大仕事、PK戦で連続3本セーブ!!

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PK戦で3本ストップの活躍を見せた聖和学園高GK菅井一那(写真協力=『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.24 総体1回戦 聖和学園 2-2(PK3-2) 立正大淞南 鳴門・大塚スポーツパーク球技場]

 全国高校総体(インターハイ)の1回戦、ドリブル軍団として知られる聖和学園高(宮城)の勝利の立役者は、PK戦で相手のシュートを3本も止めた守護神のGK菅井一那(3年)だった。1-2と逆転を許した後、退場者を出す中で終盤に追いついたチームを勝利に導いた。

「中学のときから、PKは得意。自信は、ありました。1本1本、落ち着いてやることを意識しました。(試合中にもPKがあったが決められて)あれもあって、緊張がほぐれて、リラックスして挑めたかなと思います」

 ボールの置き方、立ち足の向き、表情など、相手の動きをよく観察してコースを予測するタイプ。1本目は予測が外れて逆を突かれたが、2本目からは相手が狙うコースへしっかりと飛んだ。3本目から3連続ストップ。3本目は左に飛んで手で弾き、4本目は右に飛んで体でコースを阻んだ。5本目は予測が外れていたが、中央に残った足でボールを弾いて2回戦進出を確定させた。実は、聖和学園は後半終了直前、体格面で優れたGK小笠原信哉(3年)への交代を用意していたが、先にタイムアップを迎えたため、交代は実現せず。加見成司監督は「よく頑張った。元々、読みは良い。交代は間に合わなかったけど、かえって、それが良かったですね」と笑顔を見せた。

 フィールドプレーヤーからGKに転向したのは、小学生のとき。体格がよく、時々、ゴールマウスを守る機会はあったが、正GKではなかった。しかし、その動きの良さを認めた四郎丸サッカースポーツ少年団の青砥監督から、地区トレセンに推薦されたのがきっかけだった。GKとして評価を得て、より広い地域でのトレセン活動にも選出されるようになり、定着した。

 しかし、やはり聖和学園というドリブル軍団に入るだけあって「GKだけど、ドリブルが好き」と言う。自主練習では、気分転換もかねてドリブルを練習することもあるという。目指しているのは、ブラジル代表GKアリソン(リバプール)のように攻撃でも活躍できるGKだ。「GKも足下は大事。ビルドアップとかも、そういう基礎から大事。この学校に来て成長できているところだと思います」と話した。

 聖和学園は、インターハイ出場が2大会ぶり4回目。ドリブル軍団としての知名度は高いが、成績面では全国上位には入っていない。初戦は県大会から大幅にメンバーが入れ替わった部分も苦戦の一因となったが、チーム全員で困難を乗り切った。菅井は「聖和の名前を全国に広げたいし、自分も周りからの評価を受けたい。今日は、みんなで良いプレーができた。これからも全員で切磋琢磨して頑張っていきたい」と仲間とともにさらなる高みを目指す意気込みを語った。初戦は守備で魅せた守護神が、次戦では攻撃でも勝利への貢献を狙う。

(取材・文 平野貴也)
●【特設】高校総体2022

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