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[MOM3943]矢板中央DF勝田大晴(3年)_存在感示した“右の翼”…走り続けられるのは「自分の強み」

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矢板中央高(栃木)DF勝田大晴(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.24 総体1回戦 三田学園 0-3 矢板中央 ヨコタ上桜スポーツグラウンド(吉野川市多目的グラウンド)]

 前半29分から出場し、1ゴール1アシストの活躍を見せたFW若松優大(3年)の活躍が目を引く試合展開となったが、この日の矢板中央高(栃木)でもう一人、存在感を見せた選手がいた。それは右SBのDF勝田大晴(3年)だ。守備から攻撃に切り替えると、前方に位置する選手を追い越す攻撃参加を幾度となく披露。チャンスと見れば、反対サイドから上がったクロスに合わせる場面も見られた。

「個人としてやれた部分とやれなかった部分がありますし、チームとして見たら入りや最後に所で失点してもおかしくないシーンがあった。バラバラで行っていたので、チーム全体でもっと上手くはめに行くシーンが出せていなかったのが原因だったかなと思います」。試合後の勝田は反省を口にしたが、快勝スタートを切った矢板中央にとって鍵を握る選手だったのは間違いない。

 攻撃性能の高さを見せたが、中学時代に所属した東京武蔵野シティFC U-15ではCBとしてプレー。高校でもCBを続けていたが、昨年から少しずつSBとしてのプレーが増えていった。「守備しかやってこなかったので、どちらと言えば守備が得意なタイプ」というが、「3年生になって自分が決めないとみたいな想いもあって、そこから攻撃が成長してきたのかなと思う」。金子文三ヘッドコーチから、攻撃に切り替えると右SBの勝田がウイングバックの位置をとり、3-5-2にシステム変更するようにも指示されている。活動エリアは広範囲に及ぶが、本人は苦にする様子を見せない。むしろ、サイドを駆け上がるのを楽しんでいる。「1月から3月までずっと走り続け、夏でも走れるようにしてきた。そこは自分の強みなのかなと思う。それに、自分たちは試合を楽にするために、試合より高い強度で練習をやっている。そこはみんなも意識出来ているのかなと思います」。

 今年の代は最弱世代と呼ばれ、県予選を勝ち抜くのも難しいと言われてきたが、仲間と刺激し合うことで成長し、チーム力を高めてきた。勝田自身も高校に入ってからの成長を実感している。「個人としても、周りが刺激してくれるのは大きい。キャプテン(田邉海斗)は本当に練習からの意識が違うし、食生活にもこだわっている。そうした姿に感化され、全員が食事や筋トレに対しての意識を変えてやっているのが、個人としての成長に繋がっていると思います」。

 インターハイでの初戦突破は最弱世代にとっての序章にすぎない。「まずは全国に出られただけでも嬉しい。1勝でも出来たらと思いながら、一戦一戦戦っている。ベスト16を超えるというよりは、一戦一戦戦っていたら、ベスト16を超えていましたみたいな感覚で戦っています」。そう意気込む勝田が右サイドを駆け上がり続ければ、“過去最高”にたどり着く可能性は高まっていく。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校総体2022

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