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[MOM3953]帝京MF田中遥稀(3年)_後半35+10分の決勝FK弾!“全国トップレベル”の武器が炸裂!

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後半35+5分、帝京高MMF田中遥稀が右足FKで決勝点。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.26 インターハイ3回戦 帝京高 3-2 丸岡高 鳴門大塚]

 カナリア色のユニフォームが歓喜に舞った時間は、後半35+10分。再開直後に試合終了の笛が鳴るという時間帯に、帝京高(東京1)MF田中遥稀(3年=バディーJrユース)の劇的な直接FK弾が決まった。

 FW伊藤聡太主将(3年)はヒーローに対して「良くあの時間帯に、あのコースに、決めてくれた。きょうから敬語で行こうと思います」と表情を崩し、91年度選手権優勝時の主将でもある日比威監督も「プレスキックにしても、ミドルシュートにしても、点を獲ってくれている。大型ボランチとしては上出来じゃないですかね。物足りなさはありますけれどね」と微笑む。180cm、74kgの大型ボランチが、絶対的な自信を持つキックで名門を8強へ導いた。

 ゴール正面左寄りの位置から決めた今大会2度目の直接FK弾。田中は「いつも練習から縦回転というのは狙っていて、GKを壁で隠して、壁を越して落とせば大体はいるという風にいつも感じていて、それが良い感じに入りました。一昨日の試合でもFK決められて、自分のキックが最後決まって良かったと思います。保護者、帝京の関係者だったり、まだベスト8なんですけれどもみんなに勝利を見せられたのが嬉しい」と喜んだ。

 田中は1点を追う後半17分にも、右サイドからのストレート回転を掛けたCKで左SB島貫琢土(3年)の同点ヘッドをアシスト。後半には利き足と逆足の左足キックでサイドへ展開するなど「全国大会に出ている中では自分、トップレベルでキック巧いんじゃないかと自信を持っている」という武器を存分に発揮して主役になった。

 田中はスケール感大きなボランチ。1年時はロングボールの精度と強度を強みに関東Rookie LeagueやU-16全国大会で活躍した。だが、勝負の2年目はインターハイ予選でのパフォーマンスが上がらず、怪我もあってインターハイメンバーから落選。下のカテゴリーから再び上を目指す立場だった。

 昨年はフェスティバルで頭部を負傷したこともあり、難しい1年に。だが、「日比先生とも色々と会話して、どうやって上に行けるかとか、自分のレベルアップについて色々と教えてもらって、諦めなかったのが今の自分の結果に出ていると思います」と言い切る。新チームでボランチのポジションを獲得。この日は全国トップクラスと自負する強みをここぞの場面で発揮した。次は、中1日で迎える準々決勝。ボランチとしてチームの形を作り、守りで貢献し、そしてチャンスがあれば再びゴールを奪う。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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