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パリ世代MF藤田譲瑠チマ、カタールW杯逆転選出への“高い志”「課題は奪い切れなかったこと」

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MF藤田譲瑠チマ(横浜FM)

[7.27 E-1選手権 日本 3-0 韓国 豊田ス]

 柔らかいタッチからの絶妙なクロスで先制点をアシストし、3点目にも崩しの起点として関わった。“カタールW杯サプライズ候補”としてアピールに成功した1人は、ダブルボランチの一角として先発したパリ五輪世代の雄、MF藤田譲瑠チマ(横浜FM)。フィールドプレーヤー最年少のフレッシュな勢いと落ち着きを兼ね備えた20歳だ。

「1点目はマリノスの選手がいた右で崩してから、自分として一番良い選択ができた」。そう振り返ったのは後半4分、MF相馬勇紀の先制ヘッドをアシストした場面。右サイドに相手の意識が集中したところで逆サイドへふわりと浮かせて供給したパスは芸術的だった。

 同じくマリノス勢がそろっていた右サイドで崩して華麗なパスワークから決定機をつくり、町野修斗のゴールを演出したのは後半27分。「マリノスで練習している形だった。海外相手でも通用するという自信につながった」と胸を張った。

 この活躍を受け、森保一監督は会見で「よく動いてよくボールに絡んで素晴らしい選手だし、守備に関してもボールアタックに行ける。アグレッシブなプレーをしてくれる選手だと思う」と評価した。

 ただ、これで十分と言うわけではない。藤田がカタールW杯行きを実現するために何が必要かと聞かれた指揮官は、「すべての部分でまだまだ上げてもらって、もっとよりいい選手に成長してもらいたい。守備ではアプロ―チは素晴らしい守備をしているので、奪い切る、相手を止める力を付けること。攻撃ではボールに絡む回数が多くて素晴らしいので、展開力、より効果的にボールを動かせる中継役として成長してほしい」と具体的な課題に言及した。

 もっともこれは藤田自身も感じていること。「課題は奪い切れるところで奪い切れなかったこと。つぶしの部分ではまだ取り切れないシーンもあった。自分のところで簡単なミスもあった」と語る。

 加えて、W杯に向けては、1つの大会での活躍だけで選ばれるというものではないという考えを持っているという。「日常を評価されて選ばれればいい」と、再開するJリーグでの闘いに向けて気持ちを引き締めた。

(取材・文 矢内由美子)
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