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マルキーニョスに救われた鹿島、5戦勝利なしに青木「問題は気持ち」(鹿島vs神戸)

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[4・30 J1第9節 鹿島2-2神戸 カシマ]

 FWマルキーニョス(32)の決定力に救われた。鹿島アントラーズはホームで神戸と2-2のドロー。リーグ戦は3試合連続の引き分けで4戦勝利なし。ACLを含めると公式戦5試合連続で勝利を逃し、試合後はサポーターからブーイングも浴びせられた。
 後半20分にMF野沢拓也の右クロスにマルキーニョスが頭で先制する理想的な展開だった。しかし、集中力の欠如から簡単に逆転を許した。後半25分には相手陣内からの間接FKからパス2本でゴールを奪われ、後半42分にもDFラインでの不用意なパス回しをカットされ、最後はFW大久保嘉人に決められた。
 1分後に左サイドからPA内でパスを受けたマルキーニョスがDF2人をかわして同点ゴールを決めたが、マルキーニョスの個人技で敗戦危機を逃れるのがやっとだった。
 1-0の後半23分にDF大岩剛が右太ももに違和感を訴え、途中交代するアクシデントもあった。両サイドバックの内田篤人、新井場徹も負傷離脱中で、急造DFラインになってからの2失点にDF岩政大樹は「いつも出ているメンバーの中で、DF4人のうち3人が代わって意思統一が難しい面もあった。そのあとの2失点。僕が統率できなかったからで、責任を感じている」と悔やんだ。
 ACLを同時並行で戦う過密日程。オリヴェイラ監督は「私にはチームが疲れているようには見えない」と強調するが、肉体的な疲労よりも、むしろメンタル面の疲労が出ているように見える。連勝しているときには気にならない疲労感が、結果が出ていないことで顔をのぞかせ、結果的に集中力を奪い、安易なミスを生んでいる。MF青木剛は「崩されてとか、内容が悪くて失点しているわけじゃない。一番問題なのは気持ちの部分。集中力とか、疲れのことも気持ちで補えるはず」と力を込めた。
 攻撃面では両サイドバックの不在が大きな影響を与えている。中盤の4人は運動量も多く、アタッキングエリアまではボールを運べる。しかし、コンパクトな神戸守備陣を崩す最後のひと工夫が足りない。本来ならそこに内田や新井場が絡んで、縦に突破してのクロスや中に切れ込んでのシュート、パスなど流動的な攻撃が見られるが、右サイドバックの伊野波雅彦はオーバーラップの回数自体が少なく、左サイドバックの石神直哉は単純にクロスを上げる場面が多く、しかもその精度が低かった。
 マルキーニョスは「多少浮き沈みがある時期かもしれないが、サポーターの協力、理解を求めたい。タフな試合が続いている。なかなか期待には応えられていないが、我々は全力でプレーしている」と語った。5月もACL2試合を含めて連戦が続く。立て直すきっかけとなるのは、勝利しかない。

(取材・文 西山紘平)

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