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[W杯予選]決勝ゴールの内田「恥ずかしい」

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[6.22 10年W杯アジア3次予選グループ2第6節 日本 1-0 バーレーン 埼玉]

 DF内田篤人(鹿島)が、本人も驚く代表初ゴールでチームに劇的勝利をもたらした。0-0で迎えた後半45分だ。内田は高い打点でのヘッドで相手DFのクリアボールをPA外からゴール前へと弾き返す。このボールに走りこんだFW巻誠一郎(千葉)が“おとり”となり、相手GKが判断ミス。大きくバウンドしたボールはGK頭上を越え、そのままゴールへと吸い込まれた。
 再三の決定機をつくりながら無得点だったチームが、意図していなかった13本目の“シュート”でついに決勝点。スタジアムの興奮が一気に高まる。ヘディングした後、守備に備えてボールから目を切っていたという内田は「巻さんが入れたと思った。巻さんのおかげですよ。(決勝ゴールというのは)恥ずかしいっす」と苦笑い。ただ、「引き分けと勝ちは結構違う。入ってよかった」と喜んだ。

 この日の両SBは内田と安田理大(G大阪)の20歳コンビ。「(左サイドの)ミチ(安田)は絶対ガツガツいくと思った。(逆サイドの自分は)ディフェンスだけでいかなと思っていた」と内田。自分でも納得の守備で相手のカウンター、ロングボールを封じると、後半は「行きたいと思っていた」との言葉どおり、積極的に右サイドを駆け上がり、GKとDFの間を狙った質の高いクロスで好機をもたらした。“偶然”とはいえ、決勝ゴールも前へ出る意識が高かったから、訪れたもの。「代表でゴールできずに終わる選手が多い中、記録に残ったのはうれしいけど。でも、け、ど、です。きょうはゴールよりもアシストしたかった」と内田。最後まで複雑な表情だったが、試合を決めた20歳が3次予選首位通過の“ヒーロー”となった。 

(取材・文 吉田太郎)

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