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途中出場のダニーロが決勝点、鹿島が8試合ぶり勝利

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[6.25 J1第11節 鹿島1-0大分 カシマ]

 W杯アジア3次予選のため中断していたJ1が25日、再開した。ACLの影響で未消化だった鹿島vs大分、G大阪vs京都の2試合が行われ、カシマスタジアムでは鹿島が大分に1-0で競り勝ち、リーグ戦では4月5日の千葉戦(4-1)以来、8試合ぶりの勝ち点3を獲得した。J1は28、29日の第14節から本格的に再開する。

 ACLでは決勝トーナメント進出を決めた鹿島だが、リーグ戦では最近7試合勝利なし(4分3敗)。DF大岩剛は右太もも痛で欠場したが、FWマルキーニョスが先発に復帰し、中断期間でどう立て直したか、注目が集まった。布陣は4-4-2。GK曽ヶ端準に4バックは右から内田篤人、岩政大樹、伊野波雅彦、新井場徹と並び、中盤は青木剛と小笠原満男のダブルボランチ。左サイドに本山雅志、右サイドに野沢拓也が入り、マルキーニョスと田代有三が2トップを組んだ。
 ナビスコ杯で準々決勝進出を決めた大分はMF高橋大輔が今季初のベンチ入りを果たし、戦列に復帰。FW高松大樹、MF家長昭博の復帰は見送られたが、中断期間をはさんで徐々に戦力が整ってきた。3-5-2のシステムで、GK西川周作に3バックは右から深谷友基、森重真人、上本大海。中盤はホベルトとエジミウソンのダブルボランチで、右サイドに小林亮、左サイドに鈴木慎吾が入り、トップ下が金崎夢生、2トップはウェズレイと松橋優の組み合わせだった。

 試合は立ち上がりからホームの鹿島が積極的なサッカーを見せた。細かいパス回しに加えて運動量も多く、両サイドバックのオーバーラップも効果的で何度もチャンスを演出。前半15分には左CKから田代がクロスバー直撃のヘディングシュートを放ち、はね返りをマルキーニョスがオーバーヘッドで狙ったが、ミートせずゴール右に外れる絶好機もあった。
 前半31分にはマルキーニョスの左クロスに田代が右足アウトサイドで合わせたが、GK正面へ。前線のマルキーニョスが起点となってチャンスを量産したが、大分もゴール前で集中した守備を見せ、ゴールをこじ開けられなかった。
 前半終盤には攻め疲れの見えた鹿島に対し、大分が反撃。前半39分、ウェズレイのスルーパスから金崎がゴール前に抜け出し左足で狙ったが、DFのカバーに阻まれた。キレの良い動きを見せる金崎が再三ドリブル突破からチャンスをつくり、鹿島守備陣を慌てさせたが、こちらもゴールを破るには至らず、前半は0-0で折り返した。

 後半になると、前半ほどの運動量を保てなくなった鹿島の攻勢は衰え、試合は膠着状態に入った。鹿島は後半12分に左サイドを突破した新井場のクロスに田代がスライディングで飛び込むが、シュートはゴール左へそれる。大分は後半15分に右サイドで粘った金崎がDFを振り切ってそのままゴール前に持ち込むと、角度のないところから右足を振り切ったが、おしくもクロスバーを直撃した。
 互いに決め手を欠く展開に鹿島は後半16分、本山を下げてダニーロを投入。大分も同18分、松橋に代えて高橋を入れ、局面の打開を図った。
 この交代策が実ったのは鹿島だった。後半21分、小笠原の左CKに合わせたダニーロの強烈なヘディングシュートはクロスバーを叩いてゴールへ。ホームの鹿島がセットプレーから均衡を破った。
 1点ビハインドとなり反撃に出る大分に対し、鹿島はカウンターからチャンスをつくる。後半29分にはダニーロが絶妙な右クロスをゴール前に上げたが、フリーで合わせた田代のヘディングはゴール上へ外れた。
 ピンチをしのいだ大分は後半35分、鈴木の左クロスに高橋が飛び込み、ダイビングヘッドで合わせたが、枠を捉えきれない。直後にホベルトを下げてFW前田俊介を投入。さらに攻撃の枚数を増やし、同点ゴールを狙った。
 鹿島は後半38分に野沢を中後雅喜に交代し、守備の意識を高めた。終盤は攻める大分とカウンターを狙う鹿島という展開が続いたが、大分の反撃に耐えた鹿島が1-0で逃げ切った。

(取材・文 西山紘平)

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