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[北京への道(1)]DF吉田麻也(名古屋)

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[7.2 ナビスコ杯準々決勝第1戦 千葉0-1名古屋 フクアリ]

 名古屋グランパスのU-23日本代表候補DF吉田麻也(19)はベンチに座ったまま、チームの勝利を見届けた。ストイコビッチ監督はこの試合、DFバヤリッツァとDF増川隆洋のセンターバックを起用。吉田は「説明はなかった」と話したが、千葉の日本代表FW巻誠一郎の高さを警戒し、186cmの吉田よりも長身の191cmの増川をピッチに送り込んだようだ。
 「ナビスコ杯にはリーグ戦と違う難しさがある。一発勝負だから何があるか分からない」と吉田。勝利に貢献できなかったことには「もちろん悔しい」と言いながらも「チームとして結果が出ているし、個人的には充実している」とそれほど気にする様子はなかった。
 名古屋でレギュラーに定着し、U-23日本代表でも5月のトゥーロン国際大会、6月12日のU-23カメルーン代表戦と国際経験を数多く積んだ。この半年間の“出世”ぶりは反町ジャパンの中でも目覚ましいものがある。
 「(名古屋で)試合に出て勝ち続けることが自信になっているし、だから五輪に行ってもそん色ないプレーができていると思う。使い続けてくれている(ストイコビッチ)監督のおかげ」
 名古屋での活躍が評価され、4月にU-23日本代表候補に初招集されると、すぐにチームに適応。トゥーロン国際大会で質の高いパフォーマンスを見せ、6月30日に発表された北京五輪最終候補20人に残った。「トゥーロンでもカメルーン戦でも僕が出せることはやったし、足りないところも見つけることができた。それが励みになっているし、刺激にもなっている」。空中戦の強さ、足元の正確さと随所に持ち味を発揮し、反町康治監督に強烈にアピールした。「90分通しての集中したプレーとか、球際の厳しさとかはまだまだ足りない」と言うが、DF水本裕貴(京都)、DF青山直晃(清水)の独壇場だったセンターバックのポジション争いに食い込んだ。
 それでも、14日に発表される北京五輪登録メンバー18人に残れるかどうかは「当落線上にいるのは明らか」と安ど感はない。「もう本当に残り時間は少ない。Jリーグで、(7~9日の)合宿でアピールしていかないと」。北京のピッチを踏まなければ意味はない。夢舞台に向け、吉田のラストアピールは続く。

(取材・文 西山紘平)

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