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[北京への道(13)]DF細貝萌(浦和)

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[7.9 練習試合 U-23日本代表候補 4-0 千葉]

 U-23日本代表DF細貝萌(浦和)が、ユーティリティ・プレイヤーとしてその高いポテンシャルを改めて見せ付けた。U-23日本代表候補・千葉合宿最終日の9日、千葉サテライトとの練習試合1本目でボランチ、2本目では右SBとして出場しFW森本貴幸(カターニャ)のゴールを演出。「色々なポジションを任される事でプレーの幅も広がるし、監督にそういうチャンスを貰えるのも良い機会」と試合を振り返り、合宿の成果に自信を深めた。
 
 「自分がボールを持つ時間をなるべく短くして、積極的にパスを散らしていきたいと思っていた」。この言葉通りボランチに入った1本目は、本田拓也(清水)とコンビを組みサイドや前線に積極的にボールを供給。得点には至らなかったものの、幾度の決定的なチャンスの基点となった。「自分が基点となって攻撃的な安田理大(G大阪)と内田篤人(鹿島)をもっと使えることができれば良かったが、イメージしていた様には巧く出来なかった」と自省し、今後の課題とした。

 2本目はMFからDFにポジションチェンジ。豊田陽平(山形)、安田、本田拓と1本目、2本目に連続出場した選手のうち細貝だけ唯一異なるポジションを任された。その15分、細貝はマークについた相手DFをかわしてスペースへ走りこみ右MF岡崎慎司(清水)からスルーパスを受ける。そのまま中央にいた森本にクロスを送り先制点のアシストに成功。「中は良く見えていたので、森本の足元に合わせようとパスを出したら巧くいった。今後はもっと精度を高めていきたい」と謙虚に喜びを語った。

 細貝が元々本職としてきたポジションはボランチ。ボランチとして各年代の日本代表に選出され国際経験を積んできたが、05年に入団した浦和では出場機会に恵まれず不遇の日々を過ごした。チャンスが巡って来たのは昨年、山田暢久(浦和)が負傷によって戦列を離れた事で右アウトサイドに抜擢された。これをきっかけに細貝は持ち味でもある安定したボールコントロール、器用さを遺憾なく発揮することでプレーの幅を広げる事に成功し出場機会を増やした。そして、自信を深めてきた。「与えられるならば、このチームでポジションには拘らない」、そう口にする戦いに飢えた孤高のユーティリティ・プレイヤー・細貝は、貪欲な精神を持って北京五輪へ挑む。

(取材・文 山口雄人)

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