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京都は薄氷の勝利、決勝点の柳沢は守備陣に感謝(東京Vvs京都)

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[7.12 第16節 東京V0-1京都 味スタ]

 京都サンガF.C.が56日ぶりの無失点&勝ち点3で順位を15位から暫定12位に上げた。攻守のかみ合った勝利だった。前半から東京Vの攻撃にさらされる時間が長かったが、守備陣が粘り強く対応。東京VのFWフッキ、MF河野広貴、MFレアンドロといった個人技の高い選手を相手に、組織的な守備で対抗した。
 U-23日本代表候補のDF水本裕貴は「良くても悪くてもフッキを起点にしてくるだろうと思っていた。ディエゴがいたら別だろうけど、コンビネーションはそんなにないと思っていた」と指摘した。その予想通り、東京Vの攻撃は独力突破が多く、複数の選手が連動するような形はほとんどなかった。「フッキが持ったときに1対1にさせずに、1対2で守れたのが良かった」と水本は胸を張る。アタック&カバーを徹底させ、フッキらに自由にボールを持たせない。強引にPA内まで突破されたときは体を張って守った。
 前半30分にはカウンターから先制した。MF中谷勇介のフィードを受けたフェルナンジーニョが右サイドのスペースに飛び出したFW柳沢敦に絶妙のパス。柳沢は対峙したDFを冷静に切り返して振り切り、左足でゴールネットに突き刺した。
 「守備陣がきっちり耐えてくれたからチャンスが生まれる形になった」とDF陣に感謝した柳沢は「自分もチャンスボールをいっぱいもらっていたし、もう1点取らなきゃいけなかった」と反省した。後半33分にはフリーでゴール前に抜け出し、右足ループシュートを狙ったが、わずかにゴール上へ。フェルナンジーニョのシュートが2度ポストにはじかれるなど数多くあった決定機を決めていれば、もっと楽に勝てる試合だった。
 5月17日の横浜FM戦(1-0)以来、公式戦7試合ぶりに無失点に抑えたことが、その横浜FM戦以来の勝利につながったのは間違いない。この試合を含めて公式戦14試合連続で2得点以上の試合がない(14試合でわずか8得点)。今日は守備陣が最後まで我慢できたが、毎試合彼らに完封を期待するのは酷というもの。攻撃陣の奮起が残留争いから抜け出すには不可欠だ。

(取材・文 西山紘平)

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