29日、北京五輪に挑むなでしこジャパン対女子アルゼンチン戦後、川淵三郎日本サッカー協会名誉会長と直後に行われるU-23日本代表対U-23アルゼンチン代表戦で国歌斉唱を歌うTUBE前田亘輝氏が国立競技場内で談笑した。
　話は93年のJリーグ開幕戦(ヴェルディ対マリノス)で前田氏が国歌斉唱した話に及んだ。川淵氏は「いまでこそスポーツのイベント前に国歌を歌うのは当たり前になっているが、当時はそういうことはなかった。九ちゃん(坂本九)がボクシング前に歌ったぐらいか。絶対に君が代を歌ってほしいと思っていて、『前田といういい歌手がいる』と人から聞いた。いま思えば無茶だったけどアカペラで聞かせてもらって、心から歌ってほしいと決定したんだ」と述懐すれば前田氏も「たいへんだったけど、あれが試合前に国歌斉唱を歌うはじめてになった。全員が涙したのを覚えいている。ちなみに僕たちがデビューしたのは85年。年齢でいえばバンドはU-23なので(五輪代表に)ギリギリ入れるかな(笑)。当時はいつかは五輪でメダルを狙えるときがくると夢のように語っていたが、それがいま現実になった」と、北京五輪に挑むU-23代表にエールを送った。