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[JOMOCUP]北朝鮮代表FW鄭大世、J代表として「架け橋に」

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 「日本と韓国の架け橋になれるような試合にしたい」。2日、J-ALLSTARSの一員としてK-ALLSTARSと対戦する北朝鮮代表FW鄭大世(川崎F)は、そう抱負を語った。東西対抗戦から日韓戦に変更されたオールスター。韓国籍を持ちながら北朝鮮代表としてプレーする現役Jリーガーの鄭にとって、誰よりも思い入れの深い一戦となる。
 在日韓国人3世として愛知県名古屋市に生まれ、韓国籍だが、小学校から大学までの16年間を日本の朝鮮学校で過ごした。幼少時代の93年にJリーグ開幕の華やかな舞台を見て「朝鮮大学校から初のJリーグ選手になってやろう」と誓い、その夢を実現させた。
 昨シーズンはリーグ戦12得点を記録し、FWジュニーニョの22得点に次ぐチーム2位の活躍。高い身体能力を生かして、前に突破していく力強さが評価され、今年初めてオールスターに選出された。
 日本で“マイノリティー”として生まれた鄭。「今回のように初めての試みとなる大きな試合に参加できてうれしい。小学校からテレビで見てあこがれてきたオールスター。自分がJの代表になれたのはうれしいし、感謝している。明日はJリーグに恩返しできるように頑張ります」。かつて自分があこがれてきた舞台で、今度は自らがテレビの前にいる在日同胞に誇りを与えられるようなプレーを見せるつもりだ。

(取材・文 山口雄人)

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