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[日本クラブユース選手権(U-18)]柏U-18、“宇佐美封じ”貫徹し決勝進出(G大阪ユースvs柏U-18)

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[8.01 第32回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会準決勝 G大阪ユース 0-1 柏U-18 ニッパ球]
 
 柏レイソルU-18は“宇佐美封じ”を貫徹し、初の決勝へ駒を進めた。柏U-18の勝利へのポイントは相手エースのU-16日本代表MF宇佐美貴史(16)攻略だった。切れ味鋭いドリブルと抜群の得点センスを兼ね備える左サイドの大型アタッカーをどう封じるか。柏U-18は対面に位置する右SB御牧考介(18)、右MF山崎正登(18)が積極的にチャレンジして相手エースの動きを封じにかかった。決勝点を決めたFW工藤壮人(18)が「向こうの武器をどう止めるか。ガンバは宇佐美君のところがアクセントになっていた。そこを前半から消せていた。宇佐美君を止められているなと思った」と振り返るように、相手のエースにチャンスは作らせても得点には絡ませない。守備面での目的は果たした。
 そして柏U-18にとって勝利へのもうひとつのポイントは、宇佐美が位置するG大阪ユースの左サイド、つまり柏U-18の右サイドからどれだけ攻められるかだった。4-1-4-1の布陣をとる柏U-18は4-4-2システムのG大阪ユースよりも中盤により多く人数をかけられる。中盤で数的優位を作った柏U-18は、相手の攻撃の中心であるために守備に戻ることの少ない宇佐美のサイドを徹底して攻撃。前半から御牧や山崎が右サイドを攻略し再三クロスを放り込む。吉田達磨監督は「右サイドで数的優位を作りたいと。(宇佐美のいないスペースをつき)うまく高い位置に入って、うまく押し込めた」。G大阪ユースは守備に没頭する時間が増え、攻撃も単調なものが増えていってしまった。
 柏U-18はG大阪ユースが強引に得点を狙いに来た試合終了間際は押し込まれたが、守護神・松下理貴(18)がスーパーセーブを連発し、ゴールを許さなかった。「短期決戦を勝つためにはスーパーなプレーも必要。助かった」と吉田監督。持ち味の流れるようなパス回し、ポゼッションの高いサッカーに戦略も成功したチームに個人も力を発揮した柏U-18が、思惑通りの、そして会心の勝利を収めた。
 
(取材・文 吉田太郎)

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