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名古屋がカシマで念願の初勝利!鹿島は首位陥落

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[8.23 J1第22節 鹿島1-2名古屋 カシマ]

 J1第22節は各地で6試合を行い、カシマスタジアムでは首位の鹿島アントラーズと3位名古屋グランパスが対戦。名古屋が2-1で逆転勝ちし、過去公式戦21戦全敗だったカシマスタジアムでクラブ史上初めての勝利を飾った。

 鹿島は負傷離脱中のDF内田篤人を除けばベストメンバーで、4-4-2のシステム。GK曽ヶ端準、4バックは右から増田誓志、岩政大樹、大岩剛、新井場徹と並んだ。中盤は青木剛と小笠原満男のダブルボランチ、右に本山雅志、左にダニーロが入り、マルキーニョスと興梠慎三が2トップを組んだ。
 名古屋はMFマギヌンとDF増川隆洋が出場停止のため、センターバックは三木隆司と吉田麻也のコンビとなり、マギヌンの左MFには右から小川佳純が回り、右MFには杉本恵太が入った。布陣は4-4-2で、GK楢崎正剛、4バックが右から竹内彬、三木、吉田、阿部翔平。中盤は中村直志と吉村圭司のダブルボランチ、右に杉本、左に小川、2トップは玉田圭司とヨンセンだった。

 試合は幸先よく鹿島が先制する。前半3分、名古屋の吉田が最終ラインでもたつく間にダニーロがボールを奪い、右サイドにスルーパス。本山がPA内に横パスで流すと、マルキーニョスが冷静に右足でゴール左へ流し込んだ。
 先制点で勢いに乗る鹿島に対し防戦一方となった名古屋だが、セットプレーの1チャンスをものにする。前半11分、右サイドからの玉田のFKに吉田が頭で合わせる同点弾。失点につながるミスを取り返す吉田のリーグ戦初ゴールで、試合は振り出しに戻った。
 同点ゴールで名古屋もリズムを取り戻し、その後は一進一退の攻防となるが、鹿島はマルキーニョスと興梠がうまくボールを引き出して起点になる。全体の運動量も多く、中盤から小気味よくパスが回り、徐々に押し込み始めた。ただ名古屋も失点以降は集中した守りを見せ、互いに決定機をつくれないまま、前半は1-1で終わった。

 後半に入ると、名古屋は開始1、2分と相手のミスから杉本がシュートまで持ち込むなど攻守にアグレッシブさが出始める。寄せの早いプレスで鹿島のパスワークを封じ、体を張って奪うとカウンターにつなげ、リズム良く試合を進めた。
 そして後半14分、PA外側で吉村が粘って玉田につなぐと、鋭い動きでPA内に切れ込んだ玉田が大岩に倒されてPKを獲得。ヨンセンのPKはGK曽ヶ端が手に当てたが、ゴールに吸い込まれ、名古屋が2-1と逆転に成功した。
 反撃したい鹿島は後半22分に本山と興梠を下げてMF野沢拓也、FW田代有三を入れ、同30分にもダニーロに代えてMFマルシーニョを投入した。攻撃のリズムを変えたいところだったが、名古屋の組織的な守備を崩せず、決定的なシュートチャンスもなかなかつかめない。
 名古屋は杉本、玉田、中村と攻撃的な選手を相次ぎベンチに下げ、MF山口慶、MF米山篤志、DFバヤリッツァを投入。5-4-1という守備的な布陣にし、徹底した守備固めに入った。結局、最後まで集中力を切らさなかった名古屋が2-1で逃げ切り勝ち。これで鹿島は首位から陥落。磐田を下した浦和が首位に立ち、名古屋が鹿島を抜いて2位に浮上した。

(取材・文 西山紘平)

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