15日のW杯アジア最終予選・ウズベキスタン戦(埼玉)に向け合宿中の日本代表は11日、都内で練習を行い、左足首痛を抱えるDF田中マルクス闘莉王(浦和)も全体練習に合流した。
以下、練習後の選手コメント

●FW大久保嘉人(神戸)
―FW陣が居残りでシュート練習をしていたが?
「俺のための練習でしょ。見て分かるとおり。浮かしたらダメ。低いシュートならGKが触ってもこぼれることもあるし」
―俊輔が責任感が出て考えすぎているのではないかと言っていたが?
「サイドにいるときはチームと同じようにやったけど、そこまでボールが来なかった。中の厚みもなかったし、行きたいのはやまやまだったけど、バランスが悪かった。後半、中に行ったら自由にもサイドに出れたし、あっちの方がよかったけど。チームとやることは一緒なんだろうけど、攻め方とかも違うし」

●FW岡崎慎司(清水)
「求められていることをやるのが大事。とにかく一生懸命やるしかない。今までやってきたことに自信を持ってやれている。持続してやるだけ」
―練習ではニアに早いボールを入れていたが?
「大きい相手にニアは基本だし、自分も常に狙いを持っている。個人的にはニアに飛び込む方が合わせやすい」
―ミーティングでUAE戦のビデオを見たようだが、反省点は?
「ゴールを取れる位置にもっと行けたらいいなと思う。決定機はあるので、最初に決めれば楽になる」

●FW巻誠一郎(千葉)
―攻撃の練習が多かったが?
「点が取れそうな選択肢は増えている。ゴール前に飛び込む人数も増えてきている。そうすればゴールの可能性も上がるし」
―点が欲しい場面でも途中出場という可能性が高いが?
「(ゴールの)形とか関係ない。(ゴールを)取るか、取らないか。チームが勝つか、勝たないか。研ぎ澄ましていきたい。チームが負けているかもしれないし、勝っているかもしれないし、もしかしたら先発で出るかもしれない。いろんな状況に柔軟にプレーできるように心がけている」
―試合出場の時間が短く、難しい面もあると思うが?
「難しさはあるけど、このチームでできている喜びもあるし、チームとして戦うということが大事。そういう中でも準備していかないといけない」

●FW興梠慎三(鹿島)
―今日はシュート練習が多かったが何を意識していたか?
「この間の試合も決定力不足の面があったから、簡単なシュート練習ですけれども、しっかり枠を意識していました。UAE戦でも絶対に浮かせてはいけないところで浮いてしまったシュートがあったので、集中してやりました」
―ウズベキスタン戦がいよいよ近づいてきたが?
「得点ももちろん大事だけれども、それよりも次は絶対に落せない試合。だからチーム一丸となって勝つことが大切です」
―練習を通して監督やコーチに言われていることは?
「1回動いてももらえないから、2回、3回と動き直してボールをもらって動き回れと言われています。そこからスペースが空いてくると」
―そういうことは鹿島ではあまり言われない?
「鹿島ではそうですね、あまり言われないですね」
―ジーコがウズベキスタン代表のコーチとして来るみたいだが、意識しているか?
「ジーコさんに関しては何とも言えないですね。会ったこともないし実感がないです。だからみんながジーコ、ジーコ言う意味がよく分かりません」
―戦術面では?
「やはり僕は高さでは勝てないので、スピードとダイレクトパスから中を崩して行かないと勝てないと思います。外の人のタイミングで中に入っていかないといけない。まずニアに飛び込むことで、ファーサイドも空いてくることもあるし、誰かがつぶされながらもニアに飛び込むことが必要だと思う。僕はつぶされるタイプかもしれません」
―チームには馴染んできたか?
「このチームではFWでも守備をやらないといけないし、運動量も多く求められる。だから良い意味でDFをサボって得点を取れる選手になりたいです。ゴール前でのファーストタッチをうまくやれば、もっと点を引き出せると思います」

●FW佐藤寿人(広島)
―UAE戦について?
「なかなか点に結びつかなかった。もっとサイドからの攻撃をつなげていかないといけない」
―今日の練習についての感想は?
「これまで繰り返してきた同じ練習で、攻撃パターンはチームに染み込んできていると思うけれども、アタッキングサードの最後の3分の1でのプレーの精度、これを上げていかないと。でも最後はどこのスペースが空いていて、どこのスペースを攻めるか、これは選手個人の判断だからそこが大切になると思います」

●MF中村俊輔(セルティック)
―(練習後に冷やしている)右足は大丈夫か?
「足は大丈夫。硬いピッチにも慣れてきたし」
―昨日のオフは何していた?
「昨日はチームでジャグジーに行った。グラウンドに出ても良いと言われたがやめておいた」
―UAE戦については?
「今日も練習前にミーティングしていたが、試合は結果と得点がすべてだから1-1という結果には満足していない。(ボールを)取りに行く人、相手のコースを切る人、パスコースをふさぐ人、そこからの連動など、チームコンセプトがある中で試合に臨んで、それはできていたと思う。今日もUAE戦の映像を見ていたし、ウズベキスタンの話に関しては今夜またあると思う」
―ウズベキスタンの印象は?
「ウズベキは欧州のサッカーそのままの印象、ロングボールを放り込んだりとかね。システムも4-4-2だし、やりやすいと思う。オーストラリア戦の映像も見た。たしか左利きの選手が3人くらいいたと思う。左利きなのに右サイドの、俺みたいな選手もいた」
―試合のイメージはつかんでいるか?
「チームとしては、バーレーン戦のように危ない場面でクリアなのか、UAE戦のような感じになるとまずい。UAE戦の時は、もっと後ろで回せると思っていたらボールを取られたし、ポーンと行かれたりしたし。いつでも“もし”を考えながら試合をしていかないといけない。UAE戦のような戦い方は一度忘れて、どちらかというとバーレーン戦のように勝つ、ピリピリとね。ホームだから、もう1本ゴール入れれば良いよねという感じで考えてはいけないと思う。どちらかというとオマーン戦のように、闘莉王とかもおりまぜて俺が基点を作ればスペースがどこかに空いてくると思う」
―監督からは何か言われているか?
「あまり考えすぎずに一丸となってやることと監督にも言われている。(大久保)嘉人が中に入れば、誰かが左に動けばいいし。イナ(稲本)も上手くバランスを保ちつつ、相手のバランスを崩して前に出るタイミングとか、すごく良い。相手に次の動きがバレないようにしないといけない」

●MF稲本潤一(フランクフルト)
「ニアに早いボールを入れて(DFの)前で触れればチャンスになる。UAE戦でもニアにボールが来ていたけど、もっと練習するしかない」
―ウズベキスタンのイメージは?
「映像を見ていないから分からない。UAE戦でできたことができればいいゲームになる。高い位置で取ることが90分間できれば。どれだけチャンスの数を増やせるかが大事」
―UAE戦の反省点は?
「もう少しボールに絡みたかったし、フォローの早さも足りなかった」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
―ウズベキスタンのイメージは?
「体が大きくて、早い選手もいる。フィジカル的なことで勝負しないで、自分たちは考えるスピードとかで勝負したい」
―練習では早いクロスを意識していたが?
「そういうのも含めて、相手をどうしたら崩せるのかというのを練習していた」
―相手はフィジカルの強い選手が多いが?
「FWは大きい選手がいるし、そこはしっかりつぶしたい。2列目も早い選手がいる。そこも中盤とDFで受け渡したり、コミュニケーションを取ってやりたい」

●DF田中マルクス闘莉王(浦和)
―練習をしてみて左足首の状態は?
「やれたところまでは問題なかった。大事なのは15日。そこに向けて準備していきたい」
―練習中は声もよく出ていたが?
「大事なゲームだし、暗くなってもしようがない。明るく楽しくできるようにやっていきたい」
―UAE戦は見た?
「見ました。チャンスはつくっていたし、決めるところを決められないで残念な結果になった。次はしっかり決めていきたい。やろうとしていることを一団となってやれている。コンセプトをピッチの上でやっていこうとしている」
―ウズベキスタン戦のポイントは?
「うちのペースでやれるように。先制点を取れればかなり有利になる」
―ウズベキスタンの情報は?
「まったく分からない。これから見て勉強したい」
―対人プレーの練習をしていなかったが?
「俺はやるつもりでいたけど」
―あしたは完全合流する?
「分からない。先生(ドクター)と相談して。腫れが少しでも引けばいい。俺は15日のピッチに立てるように準備するだけ」
―試合には出れそう?
「多少痛みはあってもやるしかない。痛くない人なんていないし。それだけの覚悟を持ってやりたい。もう痛い、痛いなんて言っていられない」

●DF高木和道(清水)
―UAE戦の反省点は?
「つなぎの部分でもっとできたと思う。横につなぐだけじゃなくて、前を向いたりはしたかった」
―失点シーンは?
「ハセ(長谷部)が抜かれたとき、(中澤)佑二さんをもっと早く(カバーに)出してもよかった。そのへんの判断をもっと早くできれば」
―センターバックにケガ人が多いが?
「ずっと練習してきているけど、もっともっとやらないといけないし、1分1秒を大事にしていきたい」

(取材・文　西山紘平、山口雄人)