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鹿島・興梠が新旧13番対決制す、「ヤナギさんの前で決めたかった」

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[10.18 J1第29節 鹿島2-1京都 カシマ]

 鹿島の背番号13はオレだ!鹿島アントラーズの日本代表FW興梠慎三が昨季まで13番を背負っていた京都FW柳沢敦の眼前でゴールを決めた。前半19分、MF中後雅喜のロングフィードに反応し、ゴール前に突進。頭でGKに戻そうとしたDF水本裕貴は興梠のプレッシャーに負け、クリアミス。目の前にこぼれたボールを素早く左足でゴールに流し込んだ。得点後は両手で背中の13番を指差し、サポーターにアピール。「決めたらやろうと思っていた。ヤナギさん(柳沢)の前で決めたいというのはあった」と照れ笑いを浮かべた。

 昨季まで鹿島の13番と言えば柳沢だった。その柳沢が京都に新天地を求め、今季から興梠が“エースナンバー”を受け継いだ。鹿島の顔でもあった柳沢には試合中こそ鹿島サポーターからブーイングが飛んだが、試合前は拍手も送られた。13番を本当に自分のものにするためにも、柳沢の目の前でゴールを決める。その執念が幸運な形での先制点につながった。

 9日のUAE戦、15日のウズベキスタン戦で日本代表に初招集され、ともに途中出場を果たした。持ち味のスピードとドリブルで存在感を見せたが、ゴールという結果は残せず、不完全燃焼に終わった。だが、A代表という新たな刺激を受け、意識は変わった。代表合宿前まで5試合連続無得点。「今は決まる気がしない。代表に行ったら気分的に変わるかな」と漏らすこともあった。その“予言”は当たった。8月27日の神戸戦以来、52日ぶりのゴール。「気持的に楽になったし、次の試合も勢いよく点を狙っていけると思う」と白い歯を見せた。

 川崎Fや浦和が取りこぼす中、貴重な勝ち点3を手にし、首位を守った。残り5試合。「去年は自力優勝できなかったし、今年こそ自力優勝したい。残り5試合全勝して、優勝したい」。新旧13番対決を制した興梠は力強く宣言した。

<写真>前半19分、先制ゴールを決めた興梠がガッツポーズ
(取材・文 西山紘平)

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