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[ナビスコ杯]大分vs清水 選手コメント

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[11.1 ナビスコ杯決勝 大分2-0清水 国立]

 ナビスコ杯は1日、東京・国立競技場で決勝を行い、大分トリニータと清水エスパルスが対戦。大分らしい堅守で清水の攻撃を無失点に抑えると、後半23分にFW高松大樹、同44分にFWウェズレイがそれぞれゴールを決め、2-0で勝ってナビスコ杯初制覇を飾り、クラブ史上初のタイトルを獲得した。
以下、試合後の選手コメント

<大分>
●FW高松大樹
「前半も自分たちのペースでできていたし、後半の最初は向こうに流れが行ったけど、徐々にペースをつかめた。いつか得点できると思っていた。チームが日本一になるのが願いだったし、それが叶ってうれしい」
―試合前にはキャプテンとして何を話した?
「ウェズレイがしゃべってくれて。“こういう大きい試合ではひとりひとりが自信を持ってやらないといけない”と。俺は声をかけるだけでよかった。ウェズレイのようなベテランの選手が言うと、若手には自信になるし、そういうのがよかったと思う」
―たくさんのサポーターが応援していたが?
「大分からここまで来てくれるだけでうれしいし、負けて帰るわけにはいかないと覚悟してやった。結果が出てよかった。大分は自分のクラブ。大分で育って、お世話になって。そのクラブが優勝という歴史をつくって、そこに自分も加われてうれしい」
―大分の強さは?
「選手ひとりひとりがチームのために犠牲になって戦う。団結力というか、それをゲームでひとりひとりが出している。11人だけでなく、18人が戦っている。それが今年はいい結果につながっていると思う」

●FWウェズレイ
―得点シーンはGKが見えていた?
「もちろん見えていた。いつもGKは意識して見ているし、出てくるのが見えていた」
―高松の先制ゴールを自分のことのように喜んでいたが?
「みんなのゴールだし、高松が決めてくれて自分のことのようにうれしかった」
―きょうのゴールは自分にとっても特別?
「チームを自分のゴールで助けることができて、優勝に導くことができてうれしいし、今までいろんなゴールを決めてきたけど、本当にきょうのゴールはうれしい」

●MF金崎夢生
「この優勝で自信になったし、ひとつの形になった。でも、これで終わりじゃない。まだリーグ戦もあるので、そこでも大分らしさを出していきたい」
―U-19日本代表を辞退しての出場だったが?
「負けていたかもしれないし、どうなるか分からなかった。勝つことができてよかった。(AFC U-19選手権は)チェックはしているので、頑張ってほしい」
―右サイドからの攻撃が多かったが?
「サイドから攻めろという指示はあったけど、どっちからというのはなかった。前半から自然と相手の左を攻めて、(高橋)大さんとチャンスをつくっていた。ハーフタイムにも大さんとチャンスはできているから落ち着いていこうと話していた。先制点もそこで崩して、(高松)大樹さんが決めてくれた。サイドがカギを握るとは監督も言っていたけど、左サイドを徹底的にやるとは思わなかった。試合の状況で、そっちからチャンスになっていたので」
―2トップにボールがおさまるとやりやすい?
「(高松)大樹さんもウェズレイもボールがおさまってやりやすかったし、サイドが上がる時間もできる。大分らしさを前面に出せたと思う」

●DF森重真人
「きょうは本当にいい守備ができて、そこからいい攻撃ができた。大分の一番いいときのサッカーが大一番でできた」
―監督からの指示は?
「自分たちのやっていることをそのまま試合で出せばいいと。100%やり切ったときは必ずいい結果が出ると分かっていた。勝利を確信したのは2点目が入ったときだけど、前半から自分たちのペースでできていたし、サイドから崩してチャンスもつくれていた。清水の真ん中は堅いから、サイドから行こうと話していた。先制点もそうだし、ミーティング通りにできた」
―決勝のプレッシャーは?
「みんな緊張はしていた。早い時間に足をつったり。でもそれをパワーに変えられたのがよかった」
―清水の攻撃の印象は?
「ミーティングでやった通りに来たなという感じだった。しっかりつないで来たときはピンチもあったけど、危なっかしいピンチもなかったし、内容も結果も気持ち良かった」
―ミーティング通りとは?
「2トップのひとりがスペースに出て、ひとりが足元で受けて、枝村さんがその2トップに絡むとか。3トップ気味になるときはひとり落として(最終ラインを)4枚にするということで、ミーティング通りに守れた」

●DF深谷友基
「リーグ戦であまり流れのいい形でナビスコ杯に入れない状態で、切り替えて、決勝なんで何が何でもというか。気持ちが強い方が勝つと思っていたし、気持ちの部分で負けないようにした」
―相手は最近好調だったが?
「相手は調子が良くて、その分、警戒していたけど、思ったより前から来なかったのでやりやすかった。相手が引きすぎていて中盤にスペースがあって、そこで(金崎)夢生に預けて前を向かせてもらえたのでリズムが出てきた」
―初タイトルとなったが?
「今年の状態を見ていたらタイトルを取る自信はあったし、どこのチームとやっても僕らのサッカーは通じると信じてやっていた」
―先制すれば勝てると思っていた?
「1点取ったら僕らも守る自信はあった。1点取って前がかりになるよりはまずしっかり守ろうと。守って守って相手が焦れて、もう1点取れればと思っていた。本当にその通りになった」
―前半はトリニータがボールを持つ時間が長かったが?
「清水とは何回もやっていて、あれだけスペースを与えてくれるとは思ってなかった。前線からもうちょっとプレスがかかってきた方が苦手。もうちょっと来ると思っていたけど、ラインが全体的に低くて、ボールも強く行けてなかった。前線のプレスはまったく来なかった。清水は慎重になっていた」
―シャムスカ監督のすごさとは?
「リスクを冒していくサッカー。常に前向きで、ポジティブな考え。悪いときも前向きで、自然と僕らも負けてもいい雰囲気でいられる。負けてもいい雰囲気になると、チームはひとつになれるし、ファミリー的というか。団結力も力のひとつだと思う。どこのチームよりも絆は深いと思っている」

<清水>
●FW岡崎慎司
「メンタリティーの差だと思う。お互いに五分のゲームだった。それが相手にいっただけ。結果には天と地の差があるけど、また切り替えていくしかない。こういう(タイトルを懸けて戦う)チャンスをつくるのは自分たち。また頑張っていきたい」
―相手のマークが厳しかった?
「激しくは来ていたけど、それはどこも激しく来るし。最後のところを攻め切れなかった。もっと工夫しないといけない。経験というか、大舞台で自分たちのプレーができないといけない。うまく行ってなくても前半は抑えて、後半になって自分たちのペースをつかみかけていた。そこで行けたらよかったけど、先制されて。自分たちが先制したら違っていた」
―ナビスコ杯へのこだわりは強かった?
「僕はナビスコ杯はちょっとしか出てないし、みんなの大会。悔しいし、申し訳ない気持ちが強い。優勝したかったけど、強くなるしかない。まだまだだと思う。結果は紙一重だった。自分たちの守備も相手にはまっていたし、相手の守備も自分たちにはまっていた。後半最初はうちの流れで、そこでたたみ掛けられれば勝敗は変わっていたと思う。我慢のゲームになるとは思っていたけど。もうちょっと前の3人で連係を取れればよかった。先制点の差だと思う」

●MF山本真希
「セカンドボールを拾えなかったのが一番厳しい。右サイドは空いていたけど、なかなかボールに絡めなくて攻撃できなかった」
―それでも何度かゴール前に迫ったが?
「そこで決められなかったのが大きい」
―試合後泣いていたようだが?
「率直に負けたことが悔しかったのと、自分のプレーが何もできなかったのが悔しかった。下を向いていてもしようがないし、切り替えていきたい。こういう大きい舞台でやることはそんなにない。この負けを次につなげるためにも、またあしたから頑張りたい」

●MF伊東輝悦
「少し硬くなってたのもあるし、点を取りたい気持ちが強すぎたというのもある」
―もう少しボールを落ち着かせたかった?
「それを自分ができなかったのは悔いが残る」

●DF青山直晃
「サイドにボールが入ったときにつぶされて、攻撃にリズムが出なくて、カウンター勝負になってしまった。もっと運動量を増やせればよかった。セットプレーもあったけど、ゴールにつなげられなかった。結果はこうなったが、切り替えてやるしかない。ウェズレイをつぶし切れず、展開されることが多かった。相手はうちのFWをつぶしに来ていたけど、うちはつぶせなかった」
―相手の2トップの対応に苦労していたが?
「後ろでボールを回したり、前でキープしたり、自分たちでボールを回せていなかった。DF対FWというより、その前の問題」
―緊張もあった?
「もっと後ろでボールを回さないといけないのに、ボールをもらうのを怖がったりしていた。後ろでボールに触ってリズムをつくることも必要だった」

●DF高木和道
「大分がカップを掲げるところをしっかり目に焼き付けた。練習からまた頑張りたい。後半になってもいろいろバラバラだった。悪くはなかったけど、そこまで良くないというか。そういう流れだったからこそ、セットプレーで取りたかった。(前半26分のCKのこぼれ球をシュートした場面で)決めていれば、大きく変わっていたと思う。ずっと落ち着けとは言っていたけど、みんなバタバタしていた」
―左サイドを崩されていたが、後半は修正した?
「修正できてなかった。前半からやられていて、ハーフタイムで指示もあったけど、うまく修正できなかった」
―受けて立ってしまった?
「持たせてる分にはいつも僕らはそんな感じなので。ただ、先に点を取られると引いてゴール前を固められるのは分かっていたから、我慢したかった」

●DF市川大祐
―交代時は右サイドから攻めろという指示だった?
「(マルコス・)パウロと入って、そういうことだったと思う。勝てなかったので、それがすべて。頭から行きたかったけど、そこはチームの戦術もあるし、いつでも行ける準備はしていた。悔しいです。相手の左サイドは攻撃的でもなかったし、そこを狙いたいとは思っていたけど」
―監督からの指示は?
「まだ時間はあるし、1点取れば延長もあるから落ち着いてボールを回していこうと。前半からなかなか自由にできなくて、プレッシャーを感じているなっていうのは見ていて感じた」

(取材・文 西山紘平)

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