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ダニーロ重傷か、鹿島連覇に暗雲

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[11.9 J1第31節 鹿島0-0新潟 カシマ]

 アクシデントは後半ロスタイムに起こった。勝ち点3を目指し、猛攻に出ていた鹿島アントラーズ。ラストプレーでMFダニーロが左サイドからクロスを上げようとした際、右ひざをひねり、そのままピッチにうずくまった。試合終了の笛が鳴っても立ち上がれない。試合後、車椅子に乗ってスタジアムをあとにした姿が、事態の重大さを物語っていた。報道陣の取材に応じたチームドクターは「内側の半月板を損傷した疑いがある」と説明。詳しい症状や全治、じん帯損傷の有無は精密検査後に明らかになるが、「一般的には(復帰まで)2ヵ月かかる」という重傷だ。優勝争いも佳境に入ったタイミングでの緊急事態となった。

 新潟の堅い守りを、最後まで攻めあぐねた。引いて守る相手に対しスペースがなく、最後はFWマルキーニョスやFW興梠慎三の個人技任せになる単調な攻撃が目立った。DF岩政大樹は「中盤でタッチ数が多い。ボールを持って探してパスとか、安全なパスとか。動いてパス、もらってパスってテンポをつくらないと、最後のゴールを奪うのは難しい」と指摘した。1本調子になりやすい攻撃の中で、独特のリズムで変化を生んでいたのがダニーロだった。後半32分にダニーロのスルーパスからGKと1対1になる決定機を迎えた興梠は「あそこで決めてれば勝ったと思うし、僕の責任。形はある程度つくれていたし、ボール支配率でも上回っていた。あとは決定力」と反省したが、ダニーロ抜きの攻撃陣がこれまでどおりにチャンスをつくっていけるかは未知数だ。次節は23日、アウェーで大分と対戦する。J1最少失点を誇る大分の堅守をどう打ち破るか。連覇への道に立ちはだかる最大の障壁となる。

<写真>試合中の激しいプレーで負傷し半月板損傷の恐れがあるダニーロ

(取材・文 西山紘平)

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