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連覇を引き寄せたロスタイムの岩政弾で鹿島勝利!!

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[11.29 J1第33節 鹿島1-0磐田 カシマ]

 J1第33節が29日行われ、カシマサッカースタジアムではリーグ連覇に燃える首位鹿島アントラーズとJ1残留争いの渦中にある15位ジュビロ磐田が対戦した。試合は、鹿島の岩政大樹が後半ロスタイムにゴールを決め1-0で勝利し、勝点3を勝ち取った。これにより、鹿島は勝点を60に伸ばし、未だ首位をキープ。同時間帯に行われた3位・川崎フロンターレが神戸に勝利し勝点を57にしたことで、鹿島の今節での優勝は消え、優勝決定は次節に持ち込まれた。2位の名古屋グランパスは明日札幌と対戦する。また、残留を争う磐田は勝点0に終わった。本日行われた16位東京ヴェルディ、17位ジェフユナイテッド千葉も勝点0で終わったため15位-17位のチームに暫定順位の入れ替わりはなかった。

 鹿島はこの日も、興梠慎三、マルキーニョスを2トップに据えた4-4-2の布陣。GKに曽ヶ端準、最終ラインはCBに岩政、伊野波雅彦。右SBに前節でゴールを決めた内田篤人、左SBには新井場徹が入った。中盤の底の位置には中後雅喜、青木剛を配し、右MFに野沢拓也、左MFに本山雅志、が入った。
 対する磐田は3-4-3。GKは川口能活。DFは右から加賀健一、鈴木秀人、岡田隆。中盤は、右翼に駒野友一、左翼に山本康裕。ボランチは右にロドリゴ、左に犬塚友輔、トップ下には松浦拓弥が入り、2トップは右を前田遼一、左をジウシーニョが張った。

 試合は序盤から鹿島ペースで進んだ。鹿島はMF陣の早いプレスを武器に、早い段階で磐田の攻撃の芽を摘む。身体を入れた寄せやインターセプトからボールを奪取すると、右サイドの内田や野沢、左の本山や新井場、興梠、マルキーニョスらに展開し攻撃を仕掛けた。前半4分、右サイド興梠との連携から内田がクロスを入れると、中でマルキーニョスが滑り込む。シュート直前でDFに潰されたが、早速攻撃的な展開を見せた。同5分には、新井場が左サイドから切れ込みミドルシュート。同10分には、右サイドのFKから中後がクロス。ニアサイドに走り込んだ興梠が頭で触りファーサイドに落とすも、マルキーニョスはとどかず、枠の外を抜けた。その後も、内田や中後、青木がロングボールでゴール前に放り込み、そのセカンドボールから攻撃に繋げるなど多彩な攻めを仕掛けた。
 攻め続けるものの、なかなかチャンスを得点に結びつけることができない鹿島は、前半2度決定的なシーンで精度を欠き、ゴールを外してしまう。前半29分、中後が左サイドへ捌くと、左の本山がPAにスルーパス。そこに走り込んだ野沢がDFの裏を突きシュート。先制点の絶好のチャンスだったが、シュートはポスト左スレスレをすり抜けた。同42分には、後方からのフィードを興梠がヘッドで落とすと、そのスペースに再び野沢がスピードの乗って走り込み、決定的な場面を迎えた。野沢はワントラップ後、右足で鋭いシュートを放った。入ったかと思われたが、僅かボール1個分ほど左へそれ、決定的なチャンスをまたしても決め切れなかった。
 対する磐田は、前半一方的にボールをキープされ我慢の時間が続いた。前半38分、駒野が右サイドから前田にクロスを入れ、フリーで受けた前田はダイレクトでシュートを放った。しかし、タイミングが合わず不発。その後セカンドボールを拾ったが、鹿島DFに攻撃の芽を摘まれた。磐田は、前半ではほとんどチャンスらしいチャンスを作らせてもらえず、0-0のまま前半を終えた。

 後半も鹿島の猛攻から始まった。後半5分、右サイドの野沢がシュート性のクロスを入れるとマルキーニョスが滑り込む。直後には、興梠が右サイドから個人技でDFを振り切りクロス。ゴール前のマルキーニョスがキープするも3人のDFに囲まれ、どちらも不発に終わった。
 後半磐田は、中盤でのキープ力を高め、山本と交代した大井健太郎、ロドリゴ、駒野らが両サイドで起点となり攻撃を組み立てた。前半よりパスが通るようになり、サイドを崩してクロスを入れるなど攻撃のパターンは増えた磐田だったが、中との連携が浅く、またクロスの精度も低く、チャンスを作れない時間が続いた。
 鹿島は後半15分、野沢と田代有三を、同31分には本山とマルシーニョを、同38分には中後と増田誓志を交代した。磐田は、後半35分に犬塚を名波浩に、同37分にジウシーニョを中山雅史に替え投入。後半の終盤から磐田はDFラインを5枚にし、PAでの守備を固める。引き気味で守備的になった磐田に対し、鹿島は引き続き猛攻を仕掛けた。後半38分、右サイドのFKから興梠がクロスを入れると、GK川口に競り勝った田代が高打点のヘディングを見舞った。同42分には、PAに出たパスを興梠がシュートするもDFの激しい寄せにあい、外してしまう。
 磐田の堅い守備を崩せず、このまま0-0の引き分けかと思われた後半ロスタイム4分、遂に鹿島が試合を動かした。左FKから増田がゴール前にボールを入れると、岩政が高い打点で合わせヘディングシュート一閃。ゴール左上に試合を決める決定弾を叩き込み、最後の最後で勝ち点3をつかみとった。
 終始攻め続けていたものの磐田の守備を崩せず苦しめられたが、首位鹿島が勝負強さを見せつけ、次節でのリーグ戦連覇に大きく歩を進めた。

<写真>後半ロスタイムに劇的な決勝点を記録した鹿島DF岩政
(取材・文 山口雄人)

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