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プロ初ゴール同様のロスタイム・ヘディング弾で岩政が自信!!

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[11.29 J1第33節 鹿島1-0磐田 カシマ]

 鹿島アントラーズのDF岩政大樹が、リーグ連覇に向けた29日の第33節・ジュビロ磐田戦で、今季2得点目となる決勝ゴールを決めた。
 「このまま優勝が出来れば、あのゴールは"劇的"と言われるかもしれないが、優勝しなければただのゴールです」。このゲームのヒーロー・岩政は決勝弾の感想を、謙虚にそう語った。後半ロスタイム4分、左サイドのFKからMF増田誓志がクロスを入れると、ゴール前の岩政は高いジャンプでヘディングシュートを叩き込んだ。「蹴る前に中を見た時に、相手のDFが準備できてなくて整っていなかった。だから"今だ"と思って蹴りました」。アシストした増田がそう話すと、「増田がFKを蹴る瞬間"くるぞ"、"いける"と思った」と岩政。まさに以心伝心のゴールだった。
 攻めながらも得点が出来ないフラストレーションの溜まる90分だった。それだけに決勝弾が決まった瞬間スタジアムは沸き立った。ピッチでは鹿島イレブンが組み体操のピラミッドのように重なり合い、子供のようにはしゃいだ。試合後、オズワルド・オリヴェイラ監督は、「岩政は、僕が要求してることの象徴のような選手。アグレッシブさ、戦いを諦めない頑張る意欲を一番持ってる」と褒め称えた。岩政は指揮官の存在に助けられて、今季ここまで戦ってこられたという自負が強い。オズワルド体制になった昨シーズンはリーグ33戦に出場、今季も第1節の出場停止を除いた全試合にフル出場を果たしてきた。「監督の熱さに引っ張られてここまでこられました。一年間ほぼフル出場させてもらっているし、自分の中では十分。次もいつもどおり厳しいサッカーをしていきたい」。次節の抱負もストイックにそう語った。「大事な試合で点を取れたということは、彼が1年間頑張ってきた成果。彼個人に対してのご褒美でもあるし、今後も期待している」。岩政と指揮官は互いに全幅の信頼を寄せている。この勝利で、チームは良い波にのった。今日のゴールを単なるゴールではなく、2連覇を大きく引き寄せる"劇的"なゴールとするために、鹿島は次節の最終戦に臨む。
 「最後にいいですか?」今日のヒーロー岩政は、最後に口を開いた。「自分のプロ初ゴールがジュビロ戦で、しかも同じロスタイム、ヘディングシュートだったんです。だから何だか今日は思いで深い試合になりました」。ヒーローは、そう言って子供たちのサインに応じ、会場を後にした。

<写真>サポーターの声援に応えるDF岩政
(取材・文 山口雄人)

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