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[選手権]ロスタイムFK弾!鹿島学園が初4強!(鹿島学園vs大津)

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[高校サッカー注目選手クローズアップ]

[1.5 第87回全国高校サッカー選手権準々決勝 鹿島学園(茨城) 2-1 大津(熊本) 三ツ沢]

 第87回全国高校サッカー選手権は5日、準々決勝4試合が行われた。ニッパツ三ツ沢球技場の第1試合では3年ぶり8強進出の鹿島学園(茨城)と7年ぶりに準々決勝へ駒を進めた大津(熊本)が激突。1-1で突入した後半ロスタイムに鹿島学園MF小谷駿介(3年)が決勝FKを突き刺し、鹿島学園が2-1で勝った。初の4強進出を決めた鹿島学園は10日の準決勝(埼玉)で広島皆実(広島)と対戦する。

 後半ロスタイムもすでに2分が経過していた。会場の誰もの脳裏にPK戦決着がよぎる中、鹿島学園は思い切ったドリブル突破を仕掛けたFW忍穂井大樹(3年)がゴール正面PAわずか外でFKを獲得する。大津はこのタイミングで正守護神のGK江藤大輔(3年)に代えてPK要員のGK今井達也(3年)を投入。1、2分後に迫ったPK戦勝利のための策をとった。一方で鹿島学園はDF阿渡真也主将(3年)が、FKキッカーの小谷に近寄り一言声をかける。「オマエが決めろ」。

 3年生になってからFKキッカーを努めるようになったという小谷。11月からは毎日必ず居残り練習でFKを蹴ってきたと言う。ただ高校入学から公式戦では1度もFKを決めたことはなかった。それでも「練習では狙ったところに決められていた。自信はあった」と右足を振りぬくと、ボールはゴール左隅へ突き刺さった。「しびれた。人生で一番うれしかった」一撃でチームの歴史を塗り替えた。

 ヒーローは背番号「10」の役割も果たした。3年前にベスト8に進出した際のエースは現鹿島のFW佐々木竜太。小谷は「学園の10番はいつもチームの主役。去年、2年前の先輩も偉大だった。自分もふつうに10番の役割は務めてきたと思うけど、(このゴールで)壁を乗り越えたと思う」と胸を張った。
 また、小谷はこの日試合が行われた神奈川県の横須賀市出身(試合会場は横浜市)。中学時代は横浜FMの下部組織に在籍していた。横浜FMのユースチームに上がれずに選んだ進路は遠く離れた茨城の強豪。だが、中学時代のチームメイト、同級生たちがスタンドに駆けつけてくれていた。「試合前にスタンドに手を振ったらみんな来てくれていて・・・30人や40人じゃなかったと思う。みんなが頑張れと言ってくれた。神奈川だったし、やってやろうと」。この日の朝には携帯電話に激励のメール、電話が30以上。この日、10番としての壁を越えた小谷は、自分が試合を決めて友人たちへの恩返しもした。

 さあ、初の全国4強。今、チームの合言葉のひとつとなっているのが「いっぱい欲張ろうぜ!」だ。「今日勝てば歴史変わるぞ」と臨んだ大津戦に勝ち、チーム史上初の4強進出を成し遂げた。もう1勝すれば開幕戦に出場したチームで初となる決勝進出。そして決勝に勝てば大会に名を刻むことになる。小谷は「いつも野洲とか市船橋が優勝候補に挙げられるけど、自分たちが劣っているとは思っていない。もっと鹿島学園の名前を出したい。自分たちの代で革命を起こしたい」。
 今大会でチーム史上初めて1大会3勝を挙げたイレブンは1大会4勝目もマークした。ただ、「頂点」まであと2勝。貪欲な鹿島学園はまだまだ「欲張る」つもりだ。

<写真>後半ロスタイム、決勝FKを決めた鹿島学園・小谷が歓喜のパフォーマンス!
(取材・文 吉田太郎)

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