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イエメンに辛勝…岡田ジャパンは冷や汗発進

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[1.20 アジア杯予選 日本2-1イエメン 熊本]

 日本代表は20日、アジア杯予選初戦でイエメン代表と対戦した。前半7分、FW岡崎慎司(22=清水)の代表初ゴールで先制。後半1分にまさかの同点ゴールを許したが、同19分にFW田中達也(26=浦和)が決勝点を決め、2-1で競り勝った。ホームで格下相手に思わぬ苦戦を強いられた岡田ジャパン。勝負の09年は“冷や汗発進”となった。

 日本は4-2-3-1のシステムで、GK川島永嗣、4バックは右から内田篤人、寺田周平、高木和道、駒野友一と並んだ。中盤は中村憲剛と青木剛がダブルボランチを組み、右に岡崎慎司、左に香川真司。2トップは縦関係で、トップ下に田中達也が入り、興梠慎三が最前線に張った。
 イエメンは3-5-2のシステムで、3バックの前にフォアリベロを置く形。3バック中央のアルアマリが興梠、フォアリベロのファリドが田中達のマンマークに付いた。

 引いて守ってくる相手に対し、日本は序盤から小気味良いショートパスにサイドチェンジを織り交ぜながらスペースをこじ開けていく。開始28秒、左サイドでボールを持った香川が中央にマイナス気味のパスを送り、走り込んだ中村が右足ミドルでゴールを狙った。前半6分にも中村の鋭いスルーパスから興梠がシュート。これはDFに当たってCKとなったが、このセットプレーのチャンスから先制点が生まれた。
 前半7分、中村のショートコーナーから田中達がゴールライン際をえぐり、ゴール前に折り返すと、岡崎が右足で押し込んだ。4日に長男・刀也(とうや)ちゃんが誕生したばかりの岡崎はチームメイトと歓喜の“ゆりかごダンス”。父親になって初めての試合で、代表初ゴールを叩き込んだ。
 前半14分に内田、同15分には中村が強烈なミドルでゴールを強襲。遠めからも積極的に追加点を狙いに行った。前半26分には中村の左CKに青木が頭で合わせるが、シュートは惜しくもゴール左へ。その後も押し込みながら、人数をかけて守備を固めるイエメンを攻めあぐね、前半は1-0で折り返した。

 後半も日本ペースで進むかと思われた矢先の開始1分。まさかの同点ゴールを許す。駒野のファウルからイエメンは右45度の位置でFKを獲得すると、アルサシのキックにファリドが頭で合わせた。1-1。試合は予期せぬ展開となった。
 ボールを支配する時間は長いものの、ゴール前の密集を崩し切れない岡田ジャパン。後半11分、駒野の左クロスに合わせた岡崎のヘディングシュートもゴールの枠を捉えきれなかった。
 日本は後半14分、興梠に代えてFW巻誠一郎を投入。地元・熊本のファンから大歓声を浴びながらCKの場面でピッチに入ると、中村のキックに飛び込み、さっそくヘディングシュートを放った。
 一気に高まったスタジアムの熱気に押されるように日本の動きも再活性化。後半19分、中村の右CKを岡崎がニアでそらし、田中達が頭で押し込む勝ち越しゴールを奪った。
 勢いに乗る日本は再三、決定機をつくる。後半22分、中村のFKに合わせた岡崎のシュートは左ポストを直撃。2分後にも田中達の右クロスに岡崎が頭で合わせたが、今度はクロスバーに阻まれた。後半29分には駒野の左クロスのこぼれ球を中村が右足で押し込もうとしたが、ゴールライン上でDFにクリアされた。
 岡田武史監督は後半33分に田中達に代えてMF乾貴士、後半41分には香川に代えてMF金崎夢生を投入。ともに代表デビューとなったフレッシュな選手をピッチに送り込み、追加点を狙ったが、試合はそのまま2-1で終了。ヒヤリとさせられながらも、09年初戦をなんとか白星で飾った。

<写真>決勝点を決めたFW田中達也

(取材・文 西山紘平)

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