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関塚監督復帰の川崎F、初タイトルへ「一歩」踏み出す

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 昨季J1で2位の川崎フロンターレは25日午後、川崎市の昭和音楽大学「テアトロ ジーリオ ショウワ」に約1000人のサポーターを迎え、新体制発表会見を行った。清水FW矢島卓郎(24)、香川西高MF登里享平(18)、川崎F U-18のGK安藤駿介(18)、そしてC大阪からの復帰となるGK相澤貴志(27)の4人を補強した09年シーズンは、体調不良のために昨年4月に退任していた関塚隆氏が監督に復帰。04年の監督就任からチームをJ1復帰、アジア・チャンピオンズリーグ出場へとステップアップさせてきた関塚監督の下で、悲願の初タイトルを目指す。

 クラブのキャッチフレーズは「ONE STEP」に決定。06年J1での2位、07年ナビスコ杯準優勝、08年J1での2位と、あと一歩のところでタイトルを逃してきた過去から「大きな一歩」を踏み出す決意をクラブの目標として掲げた。武田信平社長は会見で「昨年取れなかったタイトルを実現するということ。今年はもう優勝しかない」。同社長はJ2上位につけながらあと一歩で昇格を逃し続けた01~03年後の04年に圧倒的な強さを発揮してJ2制覇、J1昇格したことを例に出し、「(今回も)たまりにたまったものを爆発させて優勝したい」と力をこめた。

 「ONE STEP」を踏み出すための09年シーズンは、復帰を果たした関塚監督とともに目標を達成する。同じく初タイトルを期待された昨シーズンは体調不良のため、志半ばで退任。だがサポーターはこの日、温かい「お帰り」のコールと拍手で指揮官を迎え入れた。会見挨拶で「“新たに”監督を務めることになった関塚です」と話した関塚監督は、新しい気持ちで「雪辱」の1年でもある、09年シーズンへと臨む。
 記者陣からは体調面を気遣う質問もあったが「(職務を)全うできるようにエネルギーが沸いている。これ(昨年体調不良で退任したこと)があるから監督復帰を決断した。体調は心配ない」ときっぱり。そしてこれまで味わってきた「あと一歩」の悔しさを晴らすことを宣言。「サポーターの皆さんと初タイトルをつかみ取りたい」と今年「新たな一歩」を踏み出すこと誓った。

 MF中村憲剛、GK川島永嗣、DF寺田周平、MF谷口博之と4人の日本代表に北朝鮮代表FW鄭大世、そしてFWジュニーニョ、MFヴィトール・ジュニオール、FWレナチーニョのブラジル人トリオと戦力は他のライバルたちと見劣りしない。「リーグ優勝するためには20勝以上が必要。(キャンプから)全ての面で『ONE STEP』を上げないといけない」と意気込みを示した指揮官は「一丸となってタイトルをつかみ取るつもりでやっていきたい」。09年、川崎Fが歴史を変える大きな一歩を踏み出す。

<写真>新体制会見に臨んだ関塚監督と新加入選手。左から矢島、登里、関塚監督、安藤
(取材・文 吉田太郎)

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