beacon

[大学]“明大のファンタジスタ”山田が技ありゴール

このエントリーをはてなブックマークに追加

[2.28 関東大学サッカーオープニングフェスティバル 関東大学選抜A 2-0 関東大学選抜B 西が丘]

 関東大学選抜AのMF山田大記(明治大2年=藤枝東高)が個人技満載の技ありゴールで観衆を沸かせた。前半33分、右サイドでボールを拾った山田はドリブルで中央へ切れ込むとゴール正面、PAに入ったところで鮮やかな切り返し。ここでマークしていたDF1人を外すと、すぐさま飛びこんできたDFも右足のシュートフェイントでかわした。最後は飛びだしてきたGKの位置を見極め、懸命に追いすがる相手守備陣をあざ笑うかのようなふわりとした右足シュートをゴールへと流し込んだ。

 観衆をどよめかせた技ありのゴール。ゴール前で相手に囲まれた中で、十分すぎるほどの余裕を感じさせた一撃だったが本人は「余裕があった訳ではなくて、絶対に決めなければいけないと思っていた。より確実な方法をとるうちにああいう(DFを2人、3人と外す)プレーになったと思う。内心あせっていたので入ってよかったです」と表情をほころばせた。
 この日関東AではエースのFW三平和司(神奈川大3年)、主将のDF高橋秀人(東京学芸大)と山田の3人のみがフル出場。スタメン8人が全日本大学選抜メンバーというタレント軍団で攻撃の重要な部分を担った。「攻撃が自分の特徴。でも点につながらないと、例え相手を抜いてもスルーパスを出しても意味がない」と言い切る。中盤の選手だが、昨年は関東1部で10得点(22試合)。ゴールという結果を残してきたからこそ、近年だけでもMF小川佳純(現名古屋)やDF長友佑都(現F東京)らを輩出した強豪・明大で下級生からレギュラーを獲得し、全日本選抜にも選出された。だからこそ、得点という結果で「期待に応えたい」ということは常に頭の中にある。
 
 静岡の名門・藤枝東高出身。高校3年時の静岡県高校選抜からは磐田でブレイク中のMF松浦拓弥や昨年のU-19日本代表として昨年のAFC U-19選手権に出場した川崎F・DF薗田淳らチームメイト7人がJリーグに進路を選んだ。だが山田はJも認める力を持ちながら大学へ進学。「今の時点では大学を選んでよかったと思う。たぶんあのまま(プロに)行っていたら今頃潰れていた。今、Jで活躍している選手もいるけど、今の自分もJに届く位置にきていると思う。Jを想定しながら足りないところを考えていく。2年後にJで活躍している選手たちを追い抜きたい」。この日はミスも多かったが、関東を代表するファンタジスタの足技にはやはり注目。この日のゴールは会場に訪れていた鹿島、川崎FなどJスカウト陣にいいアピールとなったことは間違いない。

<写真>前半33分、関東A・山田(右)が相手のディフェンスを外してゴールを奪う
(取材・文 吉田太郎)

TOP