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残り6分で逆転、鹿島が劇的勝利

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[4.4 J1第4節 鹿島2-1京都 カシマ]

 J1第4節は4日、各地で7試合を行い、カシマスタジアムでは鹿島アントラーズ京都サンガF.C.が対戦。後半13分に先制された鹿島だが、後半39分にFW佐々木竜太、同44分にFW興梠慎三がゴールを決め、土壇場で2-1と逆転し、公式戦3連勝を飾った。

 鹿島は4-4-2のシステムで、前節の広島戦(2-1)と同じ先発メンバーだった。GK曽ヶ端準に、4バックは右から内田篤人、岩政大樹、伊野波雅彦、パク・チュホ。中盤は青木剛と小笠原満男のダブルボランチで、右サイドに野沢拓也、左サイドに本山雅志が入り、マルキーニョスと大迫勇也が2トップを組んだ。

 京都も4-4-2で、GK水谷雄一、4バックは右から角田誠、水本裕貴、李正秀、染谷悠太と並んだ。中盤はダイヤモンド型で、安藤淳が1ボランチに入り、右に林丈統、左に渡邉大剛、トップ下に佐藤勇人。FW柳沢敦が負傷離脱したため、2トップは豊田陽平とディエゴの生み合わせだった。

 試合は互いにシュートの少ない静かな立ち上がりだった。その中でも主導権を握ったのは鹿島。パスをつなぎながらサイドを効果的に使って相手を揺さぶった。ただ、最後のところで京都の粘り強いディフェンスに遭い、決定的なチャンスをつくれない。
 京都は豊田の高さ、ディエゴのキープ力に頼ってロングボールを多用したが、豊田は岩政に抑え込まれ、ディエゴも周囲のフォローが遅く、孤立気味だった。中盤のバランスが悪く、小柄な選手が多いこともあり、セカンドボールをほとんど拾えず、鹿島に押し込まれる時間が続いた。
 鹿島は前半31分、右サイドでFKを獲得すると、小笠原が前方のスペースに走り込んだマルキーニョスに縦パス。ゴール前を固めていた京都守備陣の裏をかき、マルキーニョスがフリーでクロスを上げたが、岩政のヘディングシュートはゴール左にそれた。
 前半36分にも小笠原のFKのこぼれ球を拾った伊野波がシュート。決定的なチャンスだったが、ゴール上にふかしてしまった。

 後半に入っても鹿島が一方的に押し込んだが、なかなかゴールを割れない。後半11分には本山を下げてFW興梠慎三を投入。中盤の枚数を減らして3トップ気味に変更し、さらに攻撃的にシフトした。
 ところが、直後の後半13分、中盤のバランスが崩れたところで京都は佐藤の縦パスが前線に通ると、後方から猛然と走り込んだディエゴがこぼれ球をかっさらい、ゴール前に突進。GKとの1対1を冷静に押し込み、一瞬の隙を突いた京都が先制に成功した。
 劣勢だった京都が先制したことで、鹿島が攻め、京都が守るという構図はさらに鮮明になった。後半25分には伊野波に代えてDF新井場徹を投入。青木をセンターバックに下げ、新井場が左サイドバック、パクがボランチにポジションを替えた。同33分には大迫に代えてFW佐々木竜太を入れ、さらに攻勢を強めた。
 京都は後半35分、佐藤が2枚目の警告を受け、退場になる。数的不利に立たされ、完全に防戦一方となると、それまで耐え続けていた守備陣がついに力尽きた。
 後半39分、鹿島は小笠原が左サイドの興梠に展開。逆サイドにクロスを上げると、フリーで待っていた佐々木が左足でねじ込む。勢いは止まらない。後半44分、野沢が右サイドから中に切れ込み、左足でシュート。GKがはじいたボールを興梠が執念で押し込んだ。残り6分で2得点。鹿島が王者の意地を見せ、劇的な逆転勝利をおさめた。

(取材・文 西山紘平)

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