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1試合少ない鹿島が3連勝で首位返り咲き

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[5.10 J1第11節 鹿島2-1清水 カシマ]

 J1第11節は10日、4試合を行い、カシマスタジアムでは鹿島アントラーズ清水エスパルスが対戦。鹿島は前半4分、FWマルキーニョスのゴールで先制すると、後半5分にMF本山雅志が追加点。清水の反撃を1点に抑え、2-1で競り勝った。

 鹿島は4-4-2のシステムで、GK曽ヶ端準、4バックは右から内田篤人、岩政大樹、伊野波雅彦、パク・チュホと並んだ。中盤は青木剛と小笠原満男のダブルボランチ、左に本山雅志、右に野沢拓也。興梠慎三とマルキーニョスが2トップを組んだ。
 清水も4-4-2で、GK西部洋平、4バックは右から高木純平、青山直晃、岩下敬輔、児玉新。中盤は山本真希と伊東輝悦がダブルボランチを組み、右に兵働昭弘、左に枝村匠馬が入り、2トップはヨンセンと岡崎慎司だった。

 鹿島は前半4分、いきなり先制点を奪う。内田が右サイドを駆け上がり、枝村をかわしてクロス。これをファーサイドの興梠が頭で落とすと、マルキーニョスが左足でゴールに流し込んだ。

 その後も鹿島は立て続けにシュートまでつなげるなど試合を優勢に運ぶ。清水は1対1の守備が散漫で、相手の前に立っているだけで、プレッシャーが甘く、鹿島に自由にボールをつながれ、簡単にクロスを上げさせていた。

 清水は岡崎が前線で体を張り、なんとかチャンスメイクをするが、決定機をつくるまでには至らない。鹿島は素早いプレスで複数の選手で囲い込み、ボールを奪うと、速攻に転じた。

 前半31分、内田のロングフィードに興梠が抜け出した場面はGK西部がPA外に飛び出し、間一髪のところでスライディングタックルでクリア。鹿島はその直後にもカウンターからゴール前の絶好の位置でファウルをもらったが、小笠原のFKは惜しくもクロスバーに弾かれた。

 興梠、マルキーニョスの2トップに翻弄される清水はファウルで止める場面が増え、前半だけで警告を3枚受けた。清水とすれば、1失点ですんでよかったといえる前半の45分間だった。

 清水はハーフタイムに高木を下げ、DF辻尾真二を投入。中盤の出足も早くなり、高い位置でボールを奪ってゴール前まで迫るなどいい形も出始めたが、ここで鹿島が勝負強さを見せる。

 後半5分、野沢の左クロスをマルキーニョスが頭で落とすと、スペースに飛び出した本山が左足アウトサイドで飛び出してきたGKの頭上を越す技ありのループシュート。前半同様、立ち上がりにゴールを決めた。

 最悪の時間帯に追加点を許した清水だが、ここで下を向かなかった。後半13分、辻尾が右サイドを突破。力強いドリブルでパクを振り抜くと、マイナスの折り返しに枝村が合わせ、1点差に迫った。

 このゴールで流れは清水に傾く。鹿島は足が止まり出し、清水がボールをつなげるようになると、サイドを使いながら鹿島を押し込んだ。清水は後半28分、岡崎に代えてFW原一樹を投入。スピードのあるアタッカーを入れ、同点ゴールを狙った。

 鹿島は後半32分、相手のミスからカウンターを仕掛け、DF新井場徹の右クロスをマルキーニョスがヘディングシュート。このこぼれ球を野沢が狙ったが、シュートは大きく浮かしてしまった。

 清水は後半35分、伊東を下げ、MF藤本淳吾を投入し、最後のカードを切る。同43分には兵働の右クロスを枝村が落とし、藤本が左足でシュートを打ったが、DFが体を張って防いだ。

 終盤は清水の猛攻に遭った鹿島だが、最後まで集中を切らさず、からくも逃げ切った。これでリーグ戦3連勝。浦和が負けたため、得失点差で上回り、消化試合が1試合少ないにもかかわらず、首位に返り咲いた。

(取材・文 西山紘平)

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