beacon

全少準決勝第2試合、埼玉勢2年連続決勝へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

[第33回全日本少年サッカー大会 準決勝 西が丘サッカー場]

第2試合
新座片山FC少年団(埼玉2)2-0 横河武蔵野FCジュニア(東京)

準決勝第2試合は古豪同士の対戦。96年に全国制覇を成し遂げている新座片山FC少年団が、横河武蔵野FCジュニアを2-0で破り、昨年優勝した浦和FCに続いて埼玉県勢2年連続の決勝進出を決めた。

第1試合の戦術が浸透したJクラブ下部組織チーム同士の試合と比べると、蹴りあいの時間が長い試合になった。
ボールが落ち着かない時間帯が長く、つなごうという試みは見られるが相手DFにひっかかる。現在のように戦術が行き渡る以前の少年サッカーの試合模様。選手達も大きな声を出し気合いを入れ、両チームのほとんどの選手は坊主頭。第1試合とは対照的な試合となった。
しかし、サッカーは洗練されたプレーだけがおもしろいわけではない。気持ちのこもったプレーは見る者の心を打つ。この試合でもためらわず、こわがらない勇気あるプレーが随所に見られた。
予想できないプレーが見られるのもこういった試合での醍醐味だ。
前半9分、ボールを受けた新座片山のMF齋藤謙伍(6年)の左足シュートはGKの頭上を抜くループシュートとなり先制(写真)。
その後も新座片山はきびきびした鋭利な動きと豊富な運動量で横河武蔵野イレブンに前を向かせなかった。

横河武蔵野は東京都予選で全国的にも屈指の強豪チームである東京ヴェルディを3-1で下してきた。その強さの片鱗が見られたのは後半、鋭い動き出しでボールを奪うと強引に相手DFを切り裂く。技術というより執念でボールを前に運ぶように見えた。相手を押し込み得たCKから決定機を迎えるもボールは枠に飛ばず。
逆に後半ロスタイムに新座片山のFW渡辺将矢(6年)にダメ押し点を決められてしまった。
似たもの同士の一戦が勝負をわけたのは勝負強さか。ボールにかける執念に差は感じられなかった。

明日の決勝戦は昨年同じ埼玉県勢に決勝で敗れた名古屋グランパスU12がリベンジをかけて新座片山と対戦する。プレースタイルは好対照。普通に見れば名古屋に分があるように見える。しかし、そのとおりにならないのもまたサッカーだ。
(取材・文/伊藤亮)

TOP