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[高校MOM_59]前橋育英MF小島秀仁(2年)_存在感放った“エース”

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.7 全国高校総体準決勝 前橋育英 1-0 大津 橿原公苑陸上競技場]

 「何かがおかしい…」そう思っている両チームの選手たちの中で、一人だけ冷静だった。灼熱のピッチと疲労で思うように力を発揮できず、苦しんでいる周りを尻目に、前橋育英のU-17日本代表MF小島秀仁は「みんな我を失っていた。なので自分が引いてなるべくボールを落ち着かせるようにした」。

 冷静に周囲の状況を見極め、自分が何をすべきか理解していた。もともと攻撃が好きな彼だが、「相手が蹴ってきたので、なるべく後ろ目にいた」と語ったように、この試合では深めにポジションを取り、運動量を増やして味方のDFラインがはじいたセカンドボールを拾い、サイドに付けたり、キープをしたりと、時間を作って大味になりがちな試合を締め続けた。

 その姿はまさにタイガーブラック軍団の伝統のエースナンバー「14」を背負うに相応しかった。1-0の勝利の影には決して目立つことはないが、小島のファインプレーがあった。「14番を背負っていることで、周りからいろいろ言われて、プレッシャーになるけど、応えられるように心がけています」。次なる舞台は決勝戦。かつて松田直樹(現横浜FM)、青木剛(現鹿島)も背負った14番の価値をさらに高めるべく、かつての先輩たちも為しえなかった全国制覇に挑む。

(取材・文 安藤隆人)
高校サッカー・09全国高校総体特集

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