beacon

千葉はアレックスがインフルエンザ、巻が発熱&けがと不運も重なり7戦未勝利・・・

このエントリーをはてなブックマークに追加

[8.22 J1第23節 大宮1-1千葉 NACK]

 ジェフユナイテッド千葉は、またしても勝ち点3を奪えなかった。新加入のFWネット・バイアーノが来日初ゴールを奪ったが、同点に追いつかれて7戦連続未勝利(3分け4敗)。江尻篤彦監督の就任初勝利も4戦連続でお預けとなった。

 2つの“アクシデント”が重なった。 中盤のカギを握るMFアレックスが、Jリーグでは初のケースとなるA型インフルエンザを発症。試合を欠場した。ここ数日、選手、スタッフ全員が検温をしたり、予防のためのタミフルを服用したりと、チームが少しバタバタした。

 「タフなゲームだった。1週間で3試合目で、大宮さんもそうだが、うちにも厳しいゲームだった。予想通り、長いボールでセカンドを拾われた。もう少しボールを動かしていかないと勝ち点3を拾うことができない。アレックスがいないのは痛手だが、彼に代わる選手が頑張り、僕が頭を使って分析して試合を運ぶしかない。彼の不在をピンチでなくチャンスと僕は受け止めている。(そう考えていれば)もうひとつ上にいけるのではと思う」

 江尻監督はいい訳にはしなかった。むしろチーム力アップの好機とも捉えていたようだが、中盤でボールをキープしたり、ドリブルで前に運べるアレックスが不在で、巻誠一郎、ネット・バイアーノのFWにボールが入らない。入ってもキープできないため、大宮にペースを握られた。大宮は高さもキープ力もあるFW藤田、FWラファエルをめがけてロングボールを多用してきたため、DFラインが下がり中盤の攻防で劣勢になった。

 そしてFW巻誠一郎が試合中に右足首を痛めたうえ、試合中に発熱という事態に陥った。後半5分に守備の際に足を痛めて、持ち味の豊富な運動量が発揮できなくなった。この日はあまりボールをキープできず、引き出す動きも少なかったが、実は試合中に発熱していたという。後半19分に戦術的理由で交代したが、「体がだるい」と訴えたため検温したところ37,8度の熱があった。試合後はチームとは別にタクシーで自宅に戻った。

 アレックスのインフルエンザとの関係性は今のところ不明だが、大宮のロングボール戦術に対し、千葉側も巻、ネット・バイアーノに早めにボールを入れ、中盤を押し上げる作戦を考えていただけに、プランが狂った。シュートは6本に終わり、積極性も欠いた。

 「最後の10メートル、5メートルの点をとるためのプレーの質は、練習するしかない。ハードワークしていくしかないと思います。ほかのチームが休んでいるときでも、練習するしかない。(とにかく)下を向いていも何も始まらない。顔を上げて現実を受け止めて、一戦一戦を天皇杯のファイナルだと思ってやりたい。ベストな選手をチョイスして戦いたい」

 江尻監督は前を向いた。幸い、FWネット・バイアーノが来日初ゴールを決めた。「神から与えられたチャンスを決めれて、とてもうれしい。でも勝てなかった。チーム全体でゴールを取りに行くようにしないといけない。課題はあるが、解消していきたい」と新エースは意気込む。順位は16位と厳しい位置にいるが、助っ人ストライカーの爆発を期待したい。

<写真>7戦未勝利という結果にうなだれる千葉選手たち
(取材・文 近藤安弘)

TOP