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鹿島が泥沼の“3連敗”。主力温存の名古屋に、今季リーグ戦最多の4失点負け

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[9.26 J1第27節 鹿島1-4名古屋 カシマ]

 J1第27節は26日、7試合が行われ、カシマサッカースタジアムでは鹿島アントラーズ名古屋グランパスが対戦した。名古屋は前半5分、オーストラリア代表FWケネディのゴールで先制すると、同13分にはFWブルザノビッチが追加点。さらに後半にも2点を加点した。鹿島は後半29分にFWマルキーニョスのゴールで1点を返すのがやっと。今季リーグ戦最多の4失点を喫し、泥沼の“3連敗”となった。

 信じられない光景が広がった。試合開始直後から、王者・鹿島がまるで下位チームのようなバタつきを見せた。前半5分、名古屋は左サイドからアーリークロスを放り込んだ。ゴール前中央でFWケネディとDF岩政大樹が競り合うが、2人の頭上、さらにはワンバウンドし、後方にいたDF大岩剛の頭上も越え、走り込んだFWブルザノビッチがシュート。GK曽ケ端が弾いたところをケネディが拾って先制ゴールを叩き込んだ。

 これで試合中断した12日の川崎F戦を含め、前半のうちに4試合連続の失点を記録。動揺したのか、さらに前半13分、バックパスをGK曽ヶ端準が空振りし、FWブルザノビッチに奪われて、2失点目を喫した。

 最近2試合で5失点の鹿島は、守備陣のテコ入れを行った。DF伊野波雅彦に代え、ベテランDF大岩剛を起用。さらにケガから復帰した元日本代表MF本山雅志が先発。負の流れを断ち切るために必死だったが、簡単にはいかなかった。

 対する名古屋は前節19日の大宮戦で4バックに戻し、2-0で快勝。23日のACL準々決勝は川崎Fに1-2で逆転負けを喫したが、試合内容は悪くなかった。中2日の連戦となるうえ、30日には川崎Fとの第2戦が控えているためか、川崎F戦から4選手を入れ替えて挑んだ。

 DF増川、FW玉田、MF小川、MF中村を先発から外し(増川、中村はベンチ外)、DFバヤリッツァ、FWブルザノビッチ、MF杉本、MF三都主を投入。それでも、前半から鹿島を圧倒した。

 後半開始から、名古屋はFWケネディに代え、FW巻佑樹を投入した。エースを早めの交代で“温存”させたが、優位な展開は変わらない。後半8分、左サイドからゴール前へのロングボールにMF杉本が走り込み、頭で合わせて3点目を決めた。

 後半12分、鹿島はMF本山に代え、MFダニーロを投入。さらに同16分、MF青木に代えてMF中田浩二を投入した。しかし、流れは変わらない。名古屋がボールを支配する時間が続いた。

 後半29分、鹿島が1点を返した。右サイドで得たMF小笠原のFKから、FWマルキーニョスが頭で合わせた。その1分後、FW興梠慎三に代え、FW大迫勇也を投入。さらなる追撃弾を目指し、攻撃を仕掛けていった。

 しかし・・・。名古屋は後半38分、鹿島DF内田篤人のヘディングのクリアミスを拾ったFWブルザノビッチが4点目を決め、試合を決めた。ロスタイムは4分。流れはそのまま変わらず、名古屋が敵地で勝利をおさめた。

<写真>名古屋FWブルザノビッチの2点目ゴール後の喜び
(取材・文 近藤安弘)

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