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先発争いが激化?岡田監督「うれしい悩み」

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[10.10 キリンチャレンジ杯 日本2-0スコットランド 日産ス]

 試合後の記者会見に臨んだ岡田武史監督の表情は、いつも以上に柔和だった。「新しい選手のテスト、中堅どころの選手のレベルアップ」と位置付けたスコットランド戦。その収穫は、予想以上に大きかったようだ。

 「新しい選手や今まで出場機会の少なかった選手が特徴や持ち味を出してくれた。今後のメンバー選考に頭を悩ますことになりそうで、うれしい悩みだと思っている」

 岡田ジャパン初出場となった3人への評価を聞かれても、饒舌に語った。DF岩政大樹については「高さでほとんど負けなかったし、カバーリングの戻りもよかった。相手によっては彼の高さ、強さを生かせるかな」と話し、MF石川直宏に対しても「後半は疲れて出ていく動きが減ったが、前半は裏へ出ていく長い走りが効果的だった。試合の流れを変えたいとき、十分使えるなという印象」。FW森本貴幸に至っては「(2点目は)森本のターンしてのシュートがなかったら起きなかった。そういう感覚は非凡だなと。ゴール前に入っていく動きも期待以上だった」と絶賛だった。

 「それぞれが特徴、カラーを出してくれて、満足している」。相手は2軍のスコットランド。シュート数17対1の割には決定機の数もそれほど多くなく、特に前半は拙攻が目立った。ただ、実戦経験の浅い選手の集まりで、いきなり機能しろというのも厳しい話。少なくとも、今後さらに良くなる期待感は持たせてくれた。

 何より大きいのは“控え組”のアピールでチーム内に競争意識が生まれることだ。これまで先発をほぼ固定して戦ってきたため、先発と控えに意識の差があり、レギュラー選手の危機感が希薄だった。この試合で何人かの選手の尻には火が付いたのではないか。

 今回の3連戦を「新しいステップへの最初のシリーズ」と位置付けている岡田監督にも、14日のトーゴ戦(宮城ス)で今までのベストメンバーに戻すのではなく、ある程度の新戦力を先発に組み込んでほしい。そこで“化学反応”が起きたときこそ、本当の意味で岡田ジャパンが「次のステップ」に進めるはずだ。

<写真>日本代表岡田武史監督
(取材・文 西山紘平)

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