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[戦評]名古屋DFの“足下”が不安。ACLの課題だ

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[10.17 J1第29節 横浜FM2-1名古屋 日産ス]

田村修一の「視点」

 ACLを控える名古屋グランパスにとっては、調整のための試合だったと思う。FWケネディ、MF小川もベンチスタートだったし、けが人も多く抱えていた。この試合はけがをせず、コンディションを整えるのが目的だったはずだが、守備の仕方については、21日のアルイテハド戦を想定していたように感じられた。

 DFラインでしっかりとブロックをつくり、やや引き気味に守備をしていた。あえて前に行かず、しっかりと受けて、カウンターに転じる形を取っていた。アルイテハド戦はアウェーのため、まずは守備から入らないといけない。それを実践した形だ。ベストメンバーではなかったため失点はしてしまったが、意思統一は出来ていた。

 ただ吉田麻也竹内彬のセンターバックは、1対1とヘディングに強さは見せていたが、足下およびスペースにパスを出されると弱いと感じた。この日も横浜FMのFW坂田に走られた際は、決定機を作られていた。ACLではこれが弱点になるかもしれない。

 あと1つ、世間的には驚きをもって伝えられているMF三都主のボランチ起用だが、私は悪いとは思わない。彼は技術もしっかりとしているし、意外と器用。フィジカルは強くないが、運動量はあるし、キープ力、展開力があるため、慣れてくれば面白いと思う。

 ただ、まだボランチ特有のつなぎのパスに慣れていないし、360度を見渡す視野も身についていない。守備も強くないし、ポジショニングも完璧ではない。それでも、はまってくれば彼らしいボランチとして、チームに効果をもたらすのではないか。『ボランチ・三都主』がどれだけフィットするかが、アジア制覇の鍵になるかもしれない。

(取材 フットボールアナリスト田村修一)

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