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14連敗が嘘のような9戦負けなし、大分が最下位にサヨナラ

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[11.29 J1第33節 千葉0-2大分 フクアリ]

 大分トリニータが長い長い“最下位生活”からついに脱出した。17位千葉との直接対決。2-0の勝利で、過去2分11敗の天敵から勝ち点3を奪い、4月19日の第6節終了時以来、約7ヵ月ぶりに最下位から抜け出した。

 千葉に勝つ。最下位から脱出する。選手には2つのモチベーションがあった。MF高橋大輔が「僕が入団する前からジェフに勝ってなくて、ずっと言われ続けていた。1つの区切りというか、ここで千葉への苦手意識を終わらせたかった」と強調すれば、好セーブを連発したGK西川周作も「ずっと順位が一番下で、千葉に勝てば1つ上がるのは分かっていたし、みんなそれを意識して試合に入った」と力を込めた。

 来季は同じJ2で争うライバル。1年でのJ1復帰を果たすためにも、ここで千葉に勝っておくことには大きな意味があった。MF金崎夢生は「千葉に勝ったことがないというのは試合前から選手同士でも話していた。歴史を変えようと意気込んで入った」と言う。高橋も「来季は下のカテゴリーで一緒にやる。倒していかないといけない相手だし、そういう意味でも勝って良かった」と胸をなでおろした。

 これで9戦負けなし(5勝4分)。チームとしてのまとまりがあり、選手間の意思統一も取れている。パス回しには目を見張るものがあった。4月から7月にかけての14連敗がなければ、とてもJ2に降格するチームとは思えないし、J2で戦うのはもったいないチームとの印象も受けた。

 西川は「ポポさん(ポポヴィッチ監督)のサッカーが浸透して、いいサッカーができている。千葉に勝ったことを前向きに捉えて、最後も勝ってしっかり終わりたい」と言った。12月5日の最終節はホームでの大宮戦。J2降格の憂き目に遭ったシーズンだが、最後は10戦負けなしで締めくくり、来季へつなげたい。

<写真>最下位脱出に沸く大分サポーター
(取材・文 西山紘平)

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