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MVP候補?小笠原が堂々のV4宣言

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[12.5 J1第34節 浦和0-1鹿島 埼玉]

 鹿島の3連覇で幕を閉じたJリーグ。2009年のMVPは本命なき大混戦だが、鹿島アントラーズのMF小笠原満男は有力候補の1人と言えるだろう。

 この試合では、前に前に出てくる浦和の攻撃を警戒。引いた位置で守備を重視し、ボールを奪ってからは素早いパス供給で攻撃の起点になった。後半21分の決勝点も小笠原満男の展開から始まった。

 「中盤の仕事は守備の安定が第一。攻撃は前に任せてもいいチーム。攻撃が停滞したら前に行くという感じだった」。試合の流れを読む目、熟練さ。王者のかじを取った小笠原なくして鹿島の3連覇はあり得なかった。

 ミックスゾーンでは淡々と話していた小笠原だが、チームの成熟度にはかなりの手応えを感じているようだった。「上手くいかないときは我慢して、みんなで守る。できるときは仕留めに行く。きれいなことじゃないかもしれないけど、その見極めができている。そういうのは口で言っても難しいし、試合をやって覚えるしかない。みんなが感じて、同じイメージを持てている」

 山あり谷ありの3連覇だった。昨年9月に左ひざ前十字じん帯及び半月板を損傷。終盤の9試合は欠場し、連覇に貢献できなかった悔しさもあった。今季もリハビリからのスタート。「初めてのリハビリで、今は治った実感があるけど、3回も4回もやってられない」と苦笑いするほどの重傷からカムバックし、今季は開幕2試合は途中出場だったが、第3節から先発に定着した。

 ACLでは決勝トーナメント1回戦のFCソウル戦で退場処分を受け、敗退の原因ともなった。ナビスコ杯も準々決勝で敗退し、8月から10月にかけてはリーグ戦5連敗。さまざまな苦難を乗り越え、成し遂げた3連覇の偉業。「いい時期も悪い時期もあったけど、みんなが頑張ったと思う。苦しいときも文句を言わず、助け合ってできた」と振り返った。

 チームはいまだ成長途上にある。「3連覇したら4連覇したくなるチーム。欲のあるチームだから。ナビスコ杯、ACLと、シーズンを通しては悔しい思いをしている。全部のタイトルを取りにいくチームにしたい」。チームをまとめる主将はだれよりも頼もしく、心強かった。

<写真>鹿島MF小笠原
(取材・文 西山紘平)

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