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[大学選手権]高橋V弾、福岡大1点でも「勝ち切る」

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[12.20 第58回全日本大学選手権1回戦 立命館大 0-1 福岡大 NACK]

 第58回全日本大学サッカー選手権1回戦が20日、行われ、今夏の総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント優勝の福岡大(九州1)と立命館大(関西3)との一戦はFW高橋祐太郎(4年)の決勝ゴールにより、福岡大が1-0で勝利。23日に中央大(関東2)と対戦する準々決勝へ進出した。

 U-20日本代表FW永井謙佑(3年)を中心に総理大臣杯の4試合で12得点をたたき出した攻撃陣の爆発に注目された福岡大だったが、1-0という最少スコアでの勝利。チャンスで決めきれず、逆にアグレッシブな試合運びをした立命館大に危ない場面をつくられるなど、苦しめられた。ただ乾真寛監督は「総理大臣杯のあと、(九州)リーグ戦では1度も負けていない。天皇杯も3回戦までいった。きょうも最後まであきらめずにボールを追って守った。苦しいゲームでも最後勝ちにもっていく我慢強さがでてきている」と選手たちを評価。対戦相手の立命館大DF小関教平(2年)も「1点を決める・守るところ、勝ちきれるかどうかの差が出た」と夏の王者との「勝負どころでの強さ」の差を悔しがっていた。

 1トップに構える“スピードスター”FW永井に加えてボランチに位置する末吉隼也(4年)ら中盤もタレント揃い。さらに右サイドを駆け上がるSB宮本卓也が再三決定的なクロスを上げるなど、福岡大は多彩な攻撃を繰り出した。だが、9分にPAへ進入したMF市川稔(3年)のシュートはGKの好守に阻まれ、19分には宮本のグラウンダーのクロスをフリーで走りこんだ永井がファーサイドで合わせたが、シュートが枠を外れるなど1点を奪えないでいた。

 夏の王者と対峙した立命館大はキーマンであるファジアーノ岡山加入内定のMF仏楙綾笨仏楙綾礙10593)主将(4年)が腰痛のため欠場。また攻撃的左SBの前野貴徳(3年)も体調不良で不在という苦しい布陣だった。それでも右MF是井優輔(4年)と右SB篠原翔(2年)が抜群の突破力でサイドを打開。FW佐原啓泰(3年)とFW坂本一輝(1年)の2トップがそれぞれ決定的なヘディングシュートを放つなど対抗してみせた。

 前半は互いに大きな「違い」を出せないまま0-0で終了。だが、先制したのは自力に勝る福大だった。後半11分に高橋、同22分にはFW石津大介(2年)とアタッカーを次々と投入すると23分、DF福井諒司(4年)が相手最終ラインの裏へ落としたボールにオフサイドギリギリで高橋が反応。ドリブルで抜け出すとDFが追いつく前に放った豪快な左足シュートがゴールへと突き刺さった。「ポイントで出た高橋がいい仕事をしてくれた」と指揮官も喜んだゴールでリードを奪った福大は、この1点で試合も決めた。

 気落ちすることなく反撃を展開した立命大は後半39分、カウンターから途中出場のMF日高洸平(1年)が左サイドを抜け出し、決定的なシュート。だが、福大はガンバ大阪加入内定のGK河田晃兵(4年)が止めると、こぼれ球に反応したFW玉林郷(4年)の決定的なシュートをアビスパ福岡加入内定のDF宮路洋輔主将(4年)がストップし、ゴールを与えなかった。
 「向こうがイケイケで来たときは怖かったけど、クロスに突っ込んでくるところとか対応できたと思う。内容はどうであれゼロでよかった」と河田は1-0の勝利に笑顔。宮路は「日本一になって自信がついたと思う。みんな自信をもってプレーしていた」。優勝候補各チームが苦戦している今大会初戦。福大も同じく苦しいスタートとなったが、致命的なミスを犯すことなく、後半挙げた1点で勝利。最近3年間全国大会の経験のなかった立命大に対し、“勝ち方”を知る福大が自らに勝利を引き寄せた。

<写真>後半23分、決勝ゴールを決めた福岡大FW高橋が喜びを爆発
(取材・文 吉田太郎)

特設:大学選手権09

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