beacon

[高校MOM167]矢板中央GK三浦拓(2年)_雪国から来たPKストッパー

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 作陽1-1(PK4-5)矢板中央 駒場]

 矢板中央のGK三浦拓(2年)は動じなかった。試合は1-1でPK戦に突入したが、「もしPKになっても自信があった」と、むしろPK決着を歓迎する余裕があった。

 その言葉通り、PK3-3で迎えた5人目、作陽MF渡部亮武(3年)のキックを右に飛んで、見事セーブ。矢板中央の5人目も失敗してしまい、勝負は7人目までもつれ込んだが、勝利の女神は矢板中央にほほ笑んだ。

 異色な経歴を持つ。北海道出身の三浦は中学時代、スプレッド・イーグルFC函館に所属。雪の影響で約半年間はサッカーができないため、10月後半から4月まではフットサルチームとして活動していた。中学3年時には全日本ユースフットサル大会で全国制覇を経験。フットサルでの経験はサッカーでも大いに生きているという。

 「フットサルのボールは小さくて重いので、シュートも早い。1試合でシュート30本とか打たれるし、痛めつけられるのは慣れている」と冗談交じりに言った。173cmと小柄だが、足元のテクニックはもちろん、1対1でのシュートストップや反応速度の早さは、紛れもなくフットサルで磨かれたものだ。

 中学3年の10月に矢板中央の練習に参加し、“上京”を決意した。「冬でもサッカーができるのが大きかった。最初はこっちでも冬はサッカーができないと思っていた」と笑う。フットサルの経験を生かし、サッカーだけに明け暮れた3年間をへて、個性派GKが誕生した。「調子がいいときはシュートが遅く見えることもある」。矢板中央のゴール前には常に頼もしい守護神がいる。

<写真>矢板中央GK三浦
(取材・文 西山紘平)

特設:高校サッカー選手権2009

TOP